ベトナムから留学 介護福祉士に合格
2023年06月17日
介護職としての技能を身につけようとベトナムから来日して赤穂市内で暮らす男子留学生が介護福祉士の国家試験に合格。このほど念願の登録証が届いた。
ホーチミン出身のグエン・クオン・ファムさん(21)は2020年3月、医療法人伯鳳会の奨学金制度を利用して日本に留学した。姫路市内の外国人向け日本語学校で1年間学んでから姫路福祉保育専門学校に入学。平日に学校へ通い、週末は同法人の高齢者福祉施設でアルバイトする生活で日々の勉強を頑張ってきた。今年1月に介護福祉士試験に初挑戦。介護や医療的ケア、認知症など13分野の合計125問がすべて日本語で出題される試験に一発で合格した。
両親が仕事で忙しく、幼少期のころは祖母に世話してもらうことが多かった。「お年寄りに大切にしてあげたい」という思いから、高齢者世帯を慰問して料理を作ったり掃除をしたりするボランティア活動を高校時代の3年間続けた。元々アニメを通じて好感を持っていた日本で高齢者福祉の分野でも外国人労働力が求められていることを知り、留学制度に応募したという。
合格発表に自分の受験番号を見つけたときは「うれしすぎて、ご飯がのどを通らなかった」。すぐに両親に電話して報告すると、母から「よく頑張ったね」とほめられ、父は泣いて喜んでくれた。少しでも心配を掛けないようにと、今も毎晩寝る前に電話で元気な声を聞かせることを欠かさない。
今春晴れて片浜町の介護老人保健施設「伯鳳会プラザ」に就職。「新人研修中」と文字の入った名札をつけ、仕事の基本を覚える毎日だ。「覚えることが多くて大変」と話すが、誰とでもほがらかに接するファムさんの明るい人柄は利用者からも先輩職員からも人気で、施設のアイドル的存在になっている。
「利用者のみなさんが楽しくなってくれたら、僕もめっちゃうれしい」とやりがいを話すファムさん。「僕は一人っ子なので、いつかは両親の元へ帰ると思いますけど、できるだけ日本で長く介護の仕事をしたいです」と希望している。
勤務先に近いアパートで一人暮らし。食事は自炊で、昼食も朝作った弁当を持参する。指導する大田みちえ施設長代行は「ちょうど自分の息子世代と近くて、親のような気持ちになる。言葉の壁、文化の違いを乗り越えて『人のために働きたい』という志がすばらしい。その思いを胸に頑張れば、自然と技術と知識がついてくる」と見守っている。
同法人は介護福祉士を目指す外国人留学生の受け入れを2020年から始め、学費や実習費などを全額負担。奨学金を貸与した期間指定施設に就業すれば返還を免除している。
掲載紙面(PDF):
2023年6月17日号(2511号) 1面 (6,829,398byte)
(PDFファイルを閲覧するにはこちらからAdobe Readerを入手してください。)
介護福祉士の国家試験に合格し、念願の登録証を手に笑顔のグエン・クオン・ファムさん
ホーチミン出身のグエン・クオン・ファムさん(21)は2020年3月、医療法人伯鳳会の奨学金制度を利用して日本に留学した。姫路市内の外国人向け日本語学校で1年間学んでから姫路福祉保育専門学校に入学。平日に学校へ通い、週末は同法人の高齢者福祉施設でアルバイトする生活で日々の勉強を頑張ってきた。今年1月に介護福祉士試験に初挑戦。介護や医療的ケア、認知症など13分野の合計125問がすべて日本語で出題される試験に一発で合格した。
両親が仕事で忙しく、幼少期のころは祖母に世話してもらうことが多かった。「お年寄りに大切にしてあげたい」という思いから、高齢者世帯を慰問して料理を作ったり掃除をしたりするボランティア活動を高校時代の3年間続けた。元々アニメを通じて好感を持っていた日本で高齢者福祉の分野でも外国人労働力が求められていることを知り、留学制度に応募したという。
合格発表に自分の受験番号を見つけたときは「うれしすぎて、ご飯がのどを通らなかった」。すぐに両親に電話して報告すると、母から「よく頑張ったね」とほめられ、父は泣いて喜んでくれた。少しでも心配を掛けないようにと、今も毎晩寝る前に電話で元気な声を聞かせることを欠かさない。
今春晴れて片浜町の介護老人保健施設「伯鳳会プラザ」に就職。「新人研修中」と文字の入った名札をつけ、仕事の基本を覚える毎日だ。「覚えることが多くて大変」と話すが、誰とでもほがらかに接するファムさんの明るい人柄は利用者からも先輩職員からも人気で、施設のアイドル的存在になっている。
誰とでもフレンドリーに接するファムさんは利用者からも人気
「利用者のみなさんが楽しくなってくれたら、僕もめっちゃうれしい」とやりがいを話すファムさん。「僕は一人っ子なので、いつかは両親の元へ帰ると思いますけど、できるだけ日本で長く介護の仕事をしたいです」と希望している。
勤務先に近いアパートで一人暮らし。食事は自炊で、昼食も朝作った弁当を持参する。指導する大田みちえ施設長代行は「ちょうど自分の息子世代と近くて、親のような気持ちになる。言葉の壁、文化の違いを乗り越えて『人のために働きたい』という志がすばらしい。その思いを胸に頑張れば、自然と技術と知識がついてくる」と見守っている。
同法人は介護福祉士を目指す外国人留学生の受け入れを2020年から始め、学費や実習費などを全額負担。奨学金を貸与した期間指定施設に就業すれば返還を免除している。
<前の記事 |
掲載紙面(PDF):
2023年6月17日号(2511号) 1面 (6,829,398byte)
(PDFファイルを閲覧するにはこちらからAdobe Readerを入手してください。)
県が高潮対策10年計画 赤穂市内は3か所 尾崎の公園で地中から産廃 造成時に埋立か [ 社会 ] 2020年06月13日定額給付金 申請受理9割超える [ 社会 ] 2020年06月10日2020年度市自治功労者 14人受章 [ 社会 ] 2020年06月08日「つつじ賞」など6個人6団体に決定 プロバスクラブ 岡田会長を再選 [ 社会 ] 2020年06月07日公的支援制度 申請件数が増加 [ 社会 ] 2020年06月06日9割が「定住希望」も将来は悲観 《西有年産廃》事前協議書 赤穂市と上郡町へ送付 [ 社会 ] 2020年06月04日定額給付金 3分の2から申請受理 [ 社会 ] 2020年06月04日市内小中学生「Wi−Fiあり」93・5% テイクアウト利用「増えた」8割超 市医師会長に中村氏を再選 [ 社会 ] 2020年06月03日有年横尾で熊出没 [ 社会 ] 2020年06月02日「みんなに再会うれしい」学校園再開
コメントを書く