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関福大リレーコラム・子どもの近視

 2023年10月21日 
 子どもの視力の調査が開始された昭54年以降、裸眼視力が1・0未満の子どもは一貫して増え続けています。視力0・3未満の子どもも、この30年間で約3倍に増えました。


 子どもの視力低下の原因として、スマートフォンやタブレット端末などの画面を目に近い距離で見るようになったことや、近視の予防に有効とされる外遊びなどの屋外活動の時間が減っていることなどがあげられています。

 子どもの近視は、大人になってから目の病気を引き起こすリスクを高めるので、注意が必要です。子どもでは、成長に伴って眼軸(眼の奥行)が伸びていきますが、近くを見続けることが多いと、ピントを合わそうとしてさらに眼軸が伸びます。一度伸びた眼軸は元に戻らず、強度の近視に至れば、伸びた眼軸に強い負荷がかかり、中年期以降、網膜剥離や緑内障、黄斑変性といった眼の病気のリスクが高まるのです。

 10歳くらいまでは眼軸の変化が著しいため、成長期に眼軸が伸びすぎないように予防することが大切です。

 子どもが「目が疲れる」「目が乾きやすい」「遠くを見るとぼやけて見えにくくなってきた」などの症状を訴えたり、本やタブレット等を見るとき目を近づける、といった行動が見られたりするときは、近視のサインかも知れません。近くを見続けていないか注意するとともに、早めに医療機関で相談することをお勧めします。

 文部科学省は、子どもや保護者に「タブレットを使うときの5つの約束」をお願いしています。(1)タブレットを使うときは姿勢よく(視線と画面を垂直にし、30センチ以上離して、背筋を伸ばした正しい姿勢で画面を見る)(2)30分に1回はタブレットから目を離す(遠くを20秒ほど見て目を休める)(3)寝る前にはタブレットは使わない(4)自分の目を大切にする(目が乾かないようにまばたきをするなど)(5)ルールを守って使う、です。

 大切な目を守るために、大人も子どもも「5つの約束」を守りたいですね。

(宮脇智子・看護学部講師)
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掲載紙面(PDF):
2023年10月21日号(2526号) 1面 (8,025,800byte)
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