高齢者クラブが野菜栽培 交流と生きがいに
2023年10月28日
上仮屋地区の高齢者クラブ「赤城会」(榊敏会長)で、クラブが運営する菜園で栽培した野菜を会員に無料で配布する活動が続いている。採れたての新鮮な季節野菜を手渡しで宅配。会員相互のコミュニケーションにもつながり、特色ある活動として注目される。
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千鳥地区にある約2000平方メートルの畑。「赤城農園」と名付けた菜園に長さ約40〜50メートルの畝が十数本並んでいる。世話するのは会員有志の約10人。土を耕すトラクター班、畑の給水を担う水やり班、実った野菜を採り入れる収穫班と役割分担している。
始めたのは5、6年前。榊会長が知人から管理が難しくなった休耕地の相談を受けたのがきっかけだった。「ご先祖が大切に守ってきた農地を荒廃させるのはしのびない」(榊会長)とクラブの菜園として活用することを提案。賛同した会員有志で「農園部」を立ち上げた。
農園は日当たりの良い立地で、加里屋川から引いた水をポンプで汲み上げて水をまく。砂を多く含む土壌で水はけが良いため、毎日朝と夕方の散水が欠かせない。水やりを中心になって担う部会長の根木宏之さん(71)は「もう自分の日課になっています」と笑顔で話す。
毎月1回、元JA農業指導員の永濱悟さんを講師に研修会を開き、榊会長と根木さん、トラクター班の岩本好司さん(74)らが作付け計画を話し合う。連作障害が起きないように作物を選定し、前年好評だった野菜は面積を増やす。昨年度はカボチャ、オクラ、ネギ、小松菜、里芋など24種類を栽培。うまく育たなかったものもあるが、少なくとも2か月に1度は収穫物を届けることができたという。
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取材した日はちょうど週3回ある収穫日。収穫班の高見幸恵さん(78)と三浦君代さん(84)がピーマンを袋に詰め、会員の名前が印刷されたラベルを貼り付けていた。収穫した野菜は、ほとんどその日のうちに会員宅へ配られる。会員らは旬の野菜が届くのを楽しみにし、特にダイコンのように重量のあるものは「自分で買って持ち帰るのは大変なので助かる」と喜ばれる。
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地区の集会所で月2回開く「モーニング会」で提供する朝食の食材にも活用し、新鮮な野菜をふんだんに使ったヘルシーなメニューが好評。採れすぎた作物は旬彩蔵に出荷して、その収益を種や肥料の購入費に充てている。
「農地を有効活用した上に、会員同士の交流や生きがいづくりにもなっている。うちの自慢の活動の一つ」と榊会長。農園に関わるまで「プランターでミニトマトを育てたことしかなかった」という根木さんは「野菜づくりは難しいが、会員のみなさんに喜んでもらえることを励みに頑張っています」と汗を流す。
掲載紙面(PDF):
2023年10月28日号(2527号) 1面 (7,494,697byte)
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赤城会農園部のみなさん
千鳥地区にある約2000平方メートルの畑。「赤城農園」と名付けた菜園に長さ約40〜50メートルの畝が十数本並んでいる。世話するのは会員有志の約10人。土を耕すトラクター班、畑の給水を担う水やり班、実った野菜を採り入れる収穫班と役割分担している。
始めたのは5、6年前。榊会長が知人から管理が難しくなった休耕地の相談を受けたのがきっかけだった。「ご先祖が大切に守ってきた農地を荒廃させるのはしのびない」(榊会長)とクラブの菜園として活用することを提案。賛同した会員有志で「農園部」を立ち上げた。
農園は日当たりの良い立地で、加里屋川から引いた水をポンプで汲み上げて水をまく。砂を多く含む土壌で水はけが良いため、毎日朝と夕方の散水が欠かせない。水やりを中心になって担う部会長の根木宏之さん(71)は「もう自分の日課になっています」と笑顔で話す。
毎月1回、元JA農業指導員の永濱悟さんを講師に研修会を開き、榊会長と根木さん、トラクター班の岩本好司さん(74)らが作付け計画を話し合う。連作障害が起きないように作物を選定し、前年好評だった野菜は面積を増やす。昨年度はカボチャ、オクラ、ネギ、小松菜、里芋など24種類を栽培。うまく育たなかったものもあるが、少なくとも2か月に1度は収穫物を届けることができたという。
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野菜を手渡しで宅配=司波多聞さん撮影
取材した日はちょうど週3回ある収穫日。収穫班の高見幸恵さん(78)と三浦君代さん(84)がピーマンを袋に詰め、会員の名前が印刷されたラベルを貼り付けていた。収穫した野菜は、ほとんどその日のうちに会員宅へ配られる。会員らは旬の野菜が届くのを楽しみにし、特にダイコンのように重量のあるものは「自分で買って持ち帰るのは大変なので助かる」と喜ばれる。
![](../data/d00178/p17837_2.jpg)
収穫した野菜を丁寧に袋に詰める収穫班
地区の集会所で月2回開く「モーニング会」で提供する朝食の食材にも活用し、新鮮な野菜をふんだんに使ったヘルシーなメニューが好評。採れすぎた作物は旬彩蔵に出荷して、その収益を種や肥料の購入費に充てている。
「農地を有効活用した上に、会員同士の交流や生きがいづくりにもなっている。うちの自慢の活動の一つ」と榊会長。農園に関わるまで「プランターでミニトマトを育てたことしかなかった」という根木さんは「野菜づくりは難しいが、会員のみなさんに喜んでもらえることを励みに頑張っています」と汗を流す。
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掲載紙面(PDF):
2023年10月28日号(2527号) 1面 (7,494,697byte)
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