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市文化財に狩野岑信筆の画帖など2件

 2009年04月24日 
細密かつ色彩豊かで丁寧な仕上げが目を引く「女房三十六歌仙画帖」
 赤穂市教委は20日、平成21年度の市文化財として、「女房三十六歌仙画帖」と「有年原・田中遺跡墳丘墓出土土器」の有形文化財2件を指定したと告示した。いずれも4月26日(日)から上仮屋の市立歴史博物館で展示公開する。
 「女房三十六歌仙画帖」(縦20センチ、横24・7センチ)は代表的な女性歌人36人の絵姿と、その和歌を書いた画冊。見開きの右側に和歌、左側に女房を描いている。御崎の田淵家が市に寄贈した。
 画は奥絵師四家の一つ、浜町狩野家の祖、狩野岑信(みねのぶ、1662〜1708)の手により、細密かつ色彩豊かで丁寧な仕上げ。和歌の筆者は近衛基熙など当時一流の文化人とされた公卿36人が1人1首ずつ記している。豪華で手の込んだ造りは「将軍家か大名家の注文で制作されたもの」(市教委)とうかがわせる。
 付属の筆者目録にある公卿らの官職などから、宝永元年(1704)ごろ制作されたものと推定。市教委によると、現存する岑信の作品は「李白観瀑図」(東京国立博物館蔵)など10数点が知られるのみで、「作例の一つとして重要な存在」としている。
 「有年原・田中遺跡墳丘墓出土土器」は昭和63年の発掘調査で弥生時代後期(約1800年前)の大型円形墳丘墓から出土した装飾壺、装飾器台、大型装飾高坏など。少なくとも17個体分の破片が見つかり、うち3個体を復元した。文様構成の共通性などから一括して製造し、有力者の墓に供えたものと考えられる。
 市教委によると、類似の遺物が兵庫県内で見つかった例は他になく、吉備地方を中心に出土している祭祀用土器に近い要素を備えているという。「墳丘墓の年代決定だけでなく、当時の葬送儀礼の様相を示すものとして貴重」としている。
 展示公開は5月25日(月)まで。入館料は高校生以上200円、小・中学生100円。Tel43・4600。
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掲載紙面(PDF):
2009年4月25日(1845号) 1面 (9,297,660byte)
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