桜谷の大師堂、住民らが周辺整備
2010年04月03日
整備ボランティア活動に汗を流すみなさん。奥に見えるのが大師堂
「赤穂の民俗−塩屋編」によると、大師堂はかつて近くの炭屋台(字名)にまつられ、塩業従事者らの信仰を集めた。御本体の大師像は自然石を浮き彫りした石仏で、製作年代は不明。大正時代に流行病で亡くなった人を供養した観音像1体と大師像2体も安置されている。
現在の場所に移されたのは昭和31年。当時は地域の人たちが花見や草相撲に興じたが、時代の移り変わりとともに徐々に足が遠のいた。やがて辺りに雑木が生い茂り、見晴らしも失われた。
「塩屋西農業会」(川端作雄会長)を中心に2年前から進めてきた鳥獣防護柵の拡充整備がこのほど完了。記念碑を大師堂のそばに建てることになり、「この機会に周辺もきれいにしよう」と整備の手が広がった。木の伐採や重機操作などそれぞれが特技を活かし、ほとんどすべての作業を自分たちの手でこなした。
近く建立される記念碑には老子の言葉「道法自然(道は自然に法る)」を刻み、周囲にサクラとツツジを植樹する。さらに大師堂を文化財として守っていくための委員会を老人会、子ども会の協力を得て発足し、5月までにお祭りを開催する計画もあるという。
整備に関わった中には昭和31年の移設時に像を担いで運んだ人たちも健在。子どものころには“兵隊ごっこ”をして遊んだ思い出深い場所でもある。メンバーの一人、片浜町の藤田實さん(66)は「この場所が再び地域みんなの交流の場になれば」と話している。
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掲載紙面(PDF):
2010年4月3日(1890号) 1面 (7,884,856byte)
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投稿:ぽこぺん 2010年04月04日コメントを書く