“一時退所”で医療費負担を付替え
2011年03月12日
中広にある赤穂市立介護老人保健施設「老健あこう」(阿河省二施設長)が平成20年度以降、施設外の医療機関を受診する入所者を一時的に「退所」させるからくりで、本来は同施設が全額負担しなければならない医療費の支払いを利用者と公的医療保険者に付け替えていたことがわかった。今年度の指導監査で県から「解釈に誤りがあり、不適切」と指摘された。同施設は誤りを認め、該当する医療機関と入所者に計約1000万円を返金することとし、必要経費を「過年度医業収益減」として23年度予算案に支出計上。「議会で承認されれば、速やかに返金したい」としている。
介護老人保健施設(老健)は、要介護者の自宅生活復帰を目指して看護やリハビリなどのサービスを提供する施設。医師の配置が義務づけられており、入所者に対する診療は施設内で行うことを原則としている。施設外の医療機関を受診することも可能だが、その場合は老健が介護報酬の中で医療費を全額負担しなければならない(ただし、歯科、眼科、検査など老健では実施が不可能な医療行為については診療報酬の適用が認められる)。
同施設が県から「不適切」と指摘されたのは、入所者の「一時退所」。医師の診療が必要となった入所者について受診当日に「退所」手続きを実行。施設外の医療機関で診療を受けた後、その日のうちに再び「入所」させていた。自施設に配置されている医師で診療可能なケースでも同じ方法を取り、本来は同施設が負担すべき医療費の支払いを免れていた。
同施設によると、返金を予定している入所者は114人。不適切な受診件数は延べ約300件で、昨年10月に県から指摘されるまでは「一時退所」が常態化していたという。指導監査した県の担当者は、「実際は“退所”ではなく“外出”に過ぎず、不適切な事例と言わざるをえない。入所者、保険者に余計な負担を強いるようなことはあってはならない」と話している。
「老健あこう」の前田武弘事務課長は「(一時退所は)前任者のときからあった。入所者または家族の同意を得て行っていた」と釈明。矢野善章事務長は「制度の解釈に誤りがあったことで、入所者のみなさんにご迷惑をおかけして申し訳ない」と陳謝。また、19年度以前の同様事例の有無については、「なかったものと思っている」と話している。
掲載紙面(PDF):
2011年3月12日(1936号) 1面 (9,959,321byte)
(PDFファイルを閲覧するにはこちらからAdobe Readerを入手してください。)
介護老人保健施設(老健)は、要介護者の自宅生活復帰を目指して看護やリハビリなどのサービスを提供する施設。医師の配置が義務づけられており、入所者に対する診療は施設内で行うことを原則としている。施設外の医療機関を受診することも可能だが、その場合は老健が介護報酬の中で医療費を全額負担しなければならない(ただし、歯科、眼科、検査など老健では実施が不可能な医療行為については診療報酬の適用が認められる)。
同施設が県から「不適切」と指摘されたのは、入所者の「一時退所」。医師の診療が必要となった入所者について受診当日に「退所」手続きを実行。施設外の医療機関で診療を受けた後、その日のうちに再び「入所」させていた。自施設に配置されている医師で診療可能なケースでも同じ方法を取り、本来は同施設が負担すべき医療費の支払いを免れていた。
同施設によると、返金を予定している入所者は114人。不適切な受診件数は延べ約300件で、昨年10月に県から指摘されるまでは「一時退所」が常態化していたという。指導監査した県の担当者は、「実際は“退所”ではなく“外出”に過ぎず、不適切な事例と言わざるをえない。入所者、保険者に余計な負担を強いるようなことはあってはならない」と話している。
「老健あこう」の前田武弘事務課長は「(一時退所は)前任者のときからあった。入所者または家族の同意を得て行っていた」と釈明。矢野善章事務長は「制度の解釈に誤りがあったことで、入所者のみなさんにご迷惑をおかけして申し訳ない」と陳謝。また、19年度以前の同様事例の有無については、「なかったものと思っている」と話している。
<前の記事 |
掲載紙面(PDF):
2011年3月12日(1936号) 1面 (9,959,321byte)
(PDFファイルを閲覧するにはこちらからAdobe Readerを入手してください。)
[ 社会 ]
社協理事長に睦谷氏を選任 [ 社会 ] 2011年06月01日まちづくりの足跡を冊子に [ 社会 ] 2011年05月27日赤穂市にも暴排条例を [ 社会 ] 2011年05月26日「市民の夕べ」開催すべきーJCが要望書 [ 社会 ] 2011年05月25日辞職の池田議員、ボーナスは満額 [ 社会 ] 2011年05月25日火災から救出して感謝状 [ 社会 ] 2011年05月23日被災地支援物産市は完売御礼 [ 社会 ] 2011年05月23日支援要請に「ここには水はない」 [ 社会 ] 2011年05月21日同行ルポ・被災地で広がる「格差」 火災警報器、6月から義務化 [ 社会 ] 2011年05月21日警察官友の会が優良警官を表彰 [ 社会 ] 2011年05月20日市内4カ所で浸水想定引き上げ [ 社会 ] 2011年05月18日市自治会連合会長に塩屋の木村氏 [ 社会 ] 2011年05月18日市民が定住PRサイト開設 「市民の夕べ」の自粛決定
コメント
0 0
投稿:みなこ 2014年11月14日0 0
投稿:スペランカー 2011年03月12日0 0
投稿:責任のがれ 2011年03月12日0 0
投稿:捜査期待 2011年03月12日今回の事はお金を返せばいいという問題ではない。一大スキャンダルだ!!
本当にがばっている医師や看護師たちに申し訳ないとおもう。
だから、赤穂市民病院にはお医者さんが来ない。
はやく、こういう人たちを更迭して。赤穂の恥さらしだ。
0 0
投稿:ひどすぎる 2011年03月12日刑法第247条:他人のためにその事務を処理する者が、自己若しくは第三者の利益を図り又は本人に損害を加える目的で、その任務に背く行為をし、本人に財産上の損害を加えたときは、5年以下の懲役又は50万円以下の罰金に処する。
0 0
投稿:弁護士くずれ 2011年03月12日0 0
投稿:犯人は誰だ? 2011年03月12日0 0
投稿:こりゃひどい 2011年03月12日自分の首締めてるやんか。
老健あこうと市民病院の事務方は信用できませんね。
0 0
投稿:卑怯者 2011年03月12日コメントを書く