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大野九郎兵衛ゆかりの柳、枯死の危機

 2011年03月26日 
枯死が危ぶまれる「不忠柳」を診察する樹木医の段林弘一さん(左)と宮田和男さん
 赤穂藩家老、大野九郎兵衛ゆかりの古木を枯死の危機から救おうと、加里屋の花岳寺(片山一良住職)で樹木医による土壌改良などの処置が23日から行われている。
 治療を受けているのは、義士墓所の入り口に向かって右手に植わっている「不忠柳」(樹高約7メートル、幹周80センチ)。討ち入り前に逐電し、忠臣蔵の憎まれ役「斧九太夫」のモデルとなった久郎兵衛の邸宅跡から移植したと伝えられる。左手には、もとは大石内蔵助宅にあったという「忠義桜」がある。
 同寺によると、今あるヤナギは大正元年に亡くなった21世・仙珪和尚のときに植え替えた2代目で、推定樹齢は約100年という。昨夏の専門家による調査で、カミキリムシによる食害によって幹の約3分の2が枯れていることが判明。地域のシンボル的な樹木保護を目的とした県の補助事業に採択された。
 養父市大屋町の国天然記念物「樽見の大桜」を治療した樹木医、段林弘一さん(79)=宍粟市=と宮田和男さん(70)=朝来市=ら作業員4人が来寺。土壌改良剤を薄めた水溶液を高圧ノズルで根元の土に注入し、3年間効果が持続する肥料を施した。すでに枯死している箇所には樹皮調に塗装した強化プラスチック製の保護カバーを取り付ける。
 治療プランを指揮する段林さんは「かなり厳しい状態だが、最善を尽くしたい」と話している。
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掲載紙面(PDF):
2011年3月26日(1938号) 3面 (9,015,148byte)
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