兵庫県議選は１０日に投開票が行われ、８年ぶりの選挙戦となった赤穂市・赤穂郡選挙区（定数１）は、無所属現職の長岡壮壽氏（５０）＝自民推薦＝が無所属新顔の鉄山万里子氏（３０）＝民主推薦＝を下し、３選を果たした。投票率は４５・５８％で県議選の同選挙区では過去最低だった。
　当選確実の知らせを受けて上仮屋公会堂に姿を現した長岡氏は「いっしょにここまで戦ってくださって、走り続けてくださって、ありがとうございました」と謝辞。支持者らと万歳三唱し、受け取った花束を高々と差し上げた。「県政にまっすぐに取り組む、という公約を守り、安全安心、医療と福祉など期待に応えたい」と抱負を述べ、「県政報告が不十分との批判は真摯に受け止めたい。今後は県政報告会を定期的に行い、ホームページも開設する」と話した。
　鉄山氏は加里屋中洲の選挙事務所で本紙取材に応じ、「自分の思いを伝えるためにがんばったが、時間、経験などいろいろな要因でこうした結果になったと思う」と敗戦の弁。「人と人とのつながりを感じることができた選挙戦だった。支えてくださった方、投票してくださった方の思いを大切にしたい」と語った。今後については「機会があれば取り組みたい」と話したが、明言を避けた。
　選挙戦は「２期８年の実績」を前面に押し出す長岡氏と「若さと行動力」をアピールする鉄山氏との一騎打ちとなった。長岡氏は自民支持者を中心に保守層を手堅くまとめ、選挙戦を終始優位に展開。相手候補の追撃がささやかれた赤穂市でも引き離した。鉄山氏は連合兵庫の支持などをバックに懸命に追い上げを図ったが、民主党への逆風で伸び悩み。「見える県政」への転換を掲げながら、市民グループが企画した公開討論会への出席を拒否するなど、陣営のちぐはぐな戦術が支持拡大の勢いを削いだ。
　投票率は４５・５８％（赤穂市４５・６１％、赤穂郡４５・５１％）で前回の５２・６３％（赤穂市５１・４５％、赤穂郡５５・９３％）を下回った。東日本大震災で有権者の意識が選挙に向きにくかったことに加え、両候補の主張に明確な争点がなかったことも盛り上がりを欠く要因となったとみられる。

◆兵庫県議選【赤穂市・赤穂郡選挙区】開票結果
選管確定

当　長岡壮壽　　無現50　15409(赤穂市11507、赤穂郡3902)
　　鉄山万里子　無新30　 9313(赤穂市6953、赤穂郡2360)

○当日有権者数55041人(赤穂市41057人、赤穂郡13984人)
○投票者数25089人(赤穂市18725人、赤穂郡6364人)
○無効367(赤穂市265、赤穂郡102)
○投票率45.58％(赤穂市45.61％、赤穂郡45.51％)

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掲載紙面（PDF）：
2011年4月23日(1941号) 3面 (9,653,184byte)
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