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「茶のしずく石鹸」赤穂でも急性アレルギー

 2011年08月04日 
小麦アレルギーを引き起こしたとされる「茶のしずく石鹸」
 小麦加水分解物を含んだ石けんによる健康障害問題で、赤穂市消費生活センターは4日、市内の発症例を公表した。同センターは「呼吸困難や意識不明になるなど重篤な症状を引き起こす場合もある。少しでもおかしいと思ったら、すぐに使用を中止して医療機関を受診してほしい」と注意を呼びかけている。センターでも相談を受け付けている。TEL43・6818(土日祝を除く8時30分〜17時15分)。
 センターに寄せられた情報によると、トラブルがあったのは市内の60代女性で、「悠香」(福岡県大野城市)が製造販売した「茶のしずく石鹸」を6、7年前から使っていた。昨年11月、朝食にパンを食べてから登山したところ、全身に発疹が出て意識不明に。救急搬送された病院で点滴を受けて回復したが、今年2月にもほぼ同じ経緯で再発した。いずれもすぐそばに家族がいたため事なきを得たが、もし処置が遅れれば命にかかわるケースだった。今では小麦に触れただけで手が赤くかぶれるようになったという。
 精密検査で、小麦食品を食べた直後に運動すると発症する「運動誘発性アレルギー」であることが判明したが、女性はそれまで小麦アレルギーとは無縁で、医師も原因を特定できないでいた。石けん使用によるアレルギーが起こっていることを先月の新聞で知ってセンターに相談。現在は万一に備えて発作を抑える薬剤と注射器を常に携帯して暮らしている。
 8月3日までに国民生活センターに報告された相談件数は全国で902件。健康障害は380件で、皮膚のかゆみ、かぶれなど比較的軽い症状のほか、赤穂の女性のように呼吸困難や意識消失に陥る「アナフィラキシー・ショック」を起こしたケースもあった。
 国立病院機構相模原病院臨床研究センターの福富友馬医師によると、「問題の石けんを使用しているうちに加水分解小麦に対するアレルギーを発症し、最終的には口から食べる小麦にまで反応をきたした」と分析。「もともとアレルギー体質がない健康な人に発症している。これまで予想されていなかった現象だ」としている。
 メーカー側は昨年12月8日出荷分から小麦由来成分の使用を中止。今年5月20日に問題商品の自主回収を公表し、新聞広告やダイレクトメールで回収を呼びかけている。
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掲載紙面(PDF):
2011年8月6日(1954号) 3面 (13,286,108byte)
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