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少女の願い

 2012年02月04日 
『アンナの赤いオーバー』 ○文/ハリエット・ジィーフェルト ○絵/アニタ・ローベル ○訳/松川真弓 ○評論社
 戦後の苦しい生活のなかで、一人の少女の願いをかなえるために、母親をはじめ多くの人が力をかし、その願いを実現した実話です。
 この絵本のどこにも、戦争の恐ろしさも、悲惨さも語られていません。
 羊を飼っているお百姓さんも、糸をつむぐおばさんも、仕立て屋のおじさんも、ただただ黙々とくらす姿が綴られているだけなのです。まさに、くらしそのものです。それらの人々の力によって少女の願いは実現します。
 質素で飾り気のない内容であるのに、なぜか心を打たれます。その「心を打つもの」が何なのか、私にはわかりません。
   * * *
『アンナの赤いオーバー』○文/ハリエット・ジィーフェルト○絵/アニタ・ローベル○訳/松川真弓○評論社
   * * *
 ▽くぼっち先生=元中学校長の久保良道さん。平成15年7月に有年原の自宅に国内外の絵本を集めた私設図書館「くぼっち文庫」を開設。「絵本は人生を豊かにしてくれる」と自費で集めた約2000冊を無料で貸し出している。第2・第4土曜日に開館。TEL49・2089。
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掲載紙面(PDF):
2012年2月4日(1978号) 4面 (10,811,790byte)
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