災害から命守る“避難3原則”
2012年02月13日
東日本大震災が発生した際、中学生が率先して避難行動したことによって多くの命が救われた岩手県釜石市の防災教育を題材にした研修会が中広の赤穂市総合福祉会館でこのほどあり、行政や自治会関係者など約250人が聴講した。
釜石市では震災による大津波に襲われたにも関わらず、約3000人の児童・生徒のほとんどが助かり、“釜石の奇跡”と呼ばれている。
講演では、同市内の小中学校で平成16年から防災アドバイザーを務める片田敏孝氏(51)=群馬大学広域首都圏防災研究センター長=が「想定を超える災害にどう備えるか−今求められる個人・地域の防災力」と題して話した。
片田氏は、生徒たちが自主的に近隣の小学校や老人ホームに危険を呼び掛けながら避難した結果、多くの命が救われた釜石東中学校の事例を紹介。小学校の3階部分に軽自動車が突き刺さった様子など記録写真をスクリーンに映しつつ、「想定にしばられるな、最善を尽くせ、率先避難者たれ−の『避難三原則』を実行してくれた。“奇跡”ではなく“釜石の実績”だ」と子どもたちを称えた。
また、堤防を過信して逃げ遅れたり、子どもを学校に迎えに行って犠牲になったりしたケースを挙げ、「人間の“想定”通りに自然は動かない。絶対に逃げてくれているはず、という親子の“信頼”と“絆”を築くことが互いの命を救うことにつながる」と語った。
片田氏は日本の防災教育のあり方についても提言。阪神大震災以降、「復興支援」の側面ばかりが注目されていると指摘し、「生き残ってこその支援。第一に災害から生き抜く力を与える教育に切り替えるべき」と力説した。
掲載紙面(PDF):
2012年2月18日(1980号) 3面 (9,118,947byte)
(PDFファイルを閲覧するにはこちらからAdobe Readerを入手してください。)
釜石市では震災による大津波に襲われたにも関わらず、約3000人の児童・生徒のほとんどが助かり、“釜石の奇跡”と呼ばれている。
講演では、同市内の小中学校で平成16年から防災アドバイザーを務める片田敏孝氏(51)=群馬大学広域首都圏防災研究センター長=が「想定を超える災害にどう備えるか−今求められる個人・地域の防災力」と題して話した。
片田氏は、生徒たちが自主的に近隣の小学校や老人ホームに危険を呼び掛けながら避難した結果、多くの命が救われた釜石東中学校の事例を紹介。小学校の3階部分に軽自動車が突き刺さった様子など記録写真をスクリーンに映しつつ、「想定にしばられるな、最善を尽くせ、率先避難者たれ−の『避難三原則』を実行してくれた。“奇跡”ではなく“釜石の実績”だ」と子どもたちを称えた。
また、堤防を過信して逃げ遅れたり、子どもを学校に迎えに行って犠牲になったりしたケースを挙げ、「人間の“想定”通りに自然は動かない。絶対に逃げてくれているはず、という親子の“信頼”と“絆”を築くことが互いの命を救うことにつながる」と語った。
片田氏は日本の防災教育のあり方についても提言。阪神大震災以降、「復興支援」の側面ばかりが注目されていると指摘し、「生き残ってこその支援。第一に災害から生き抜く力を与える教育に切り替えるべき」と力説した。
<前の記事 |
掲載紙面(PDF):
2012年2月18日(1980号) 3面 (9,118,947byte)
(PDFファイルを閲覧するにはこちらからAdobe Readerを入手してください。)
[ 社会 ]
袋の中で洗浄「シャボン・ラッピング」 [ 社会 ] 2015年09月07日関西福祉大学で学会ダブル開催 [ 社会 ] 2015年09月06日「ふれあい敬老会」がスタート 生き物で川の水質調べよう 【御崎メガソーラー問題】地元が「建設反対」へ [ 社会 ] 2015年09月05日【御崎メガソーラー問題】県が雨水流出量を精査 [ 社会 ] 2015年09月05日保育士確保へ市教委が研修会 [ 社会 ] 2015年09月01日姉妹都市との交流成果を報告 [ 社会 ] 2015年08月31日看護師宿舎を入札で売却へ [ 社会 ] 2015年08月29日石炭発電による環境汚染に警鐘 [ 社会 ] 2015年08月28日「産廃処分場反対」上郡町長に嘆願 [ 社会 ] 2015年08月26日市民病院の新棟、来年2月着工へ [ 社会 ] 2015年08月26日西播磨公立病院で初、透析患者を無料送迎 [ 社会 ] 2015年08月26日元自衛官が安保法制を否定 [ 社会 ] 2015年08月23日崩壊危険地区と知らず太陽光計画 [ 社会 ] 2015年08月22日
コメントを書く