非開示取消請求訴訟、原告が敗訴〜神戸地裁
2012年06月19日
総合計画の基礎資料として赤穂市が実施した「全世帯市民アンケート」の自由記述欄の内容を公文書公開する是非が争点となった裁判の判決が19日にあり、神戸地裁は「(公開すれば)市の事務事業の適正な遂行に著しい支障を及ぼすおそれがある」とし、市の非開示決定処分の取り消しを求めた原告の請求を棄却した。
判決で栂村明剛裁判長は、本件アンケートが目的以外に使用しない前提で行われた点を挙げ、「市民が結果の開示を想定していたとは認め難い」と指摘。開示によって、「身元を特定されることを恐れて率直な否定的意見を記載しなくなる」などと想定した上で、「市民の市に対する信頼が害され、市が今後同種の調査を行うに当たり市民の協力を得られなくなったり、利用価値の高い意見が寄せられなくなったりする事態が生じる」と認定した。
「おそれは抽象論にすぎない」などと反論した原告側の主張については、「(赤穂は)それほど大きくない都市であって、住民間の関係も密接であることがうかがわれる。おそれは、具体的な根拠に基づくものというべき」と退け、「開示の利点を考慮しても、支障を看過することはできない」と判断した。
アンケートは平成21年7月に無記名式で実施。全世帯のおよそ7割に相当する1万3822件の回答があった。市は、選択式設問の集計結果はグラフ化して市広報、ホームページで公開したが、自由記述欄の内容についてはホームページでキーワードのみの紹介にとどめた。
原告の赤穂市議、小林篤二さん(60)=本水尾町=は22年10月に公文書開示を請求したが、市は「アンケートは目的以外に使用しない前提で、自由意見を公開することは市民と市の信頼関係を損なうおそれがある」「今後、市が実施する調査研究事務を不当に阻害するおそれがある」などと非開示決定。不服申し立てに対しても、市情報公開審査会(有田伸弘会長)の「非開示とした決定は妥当」との答申を基に却下されたため、昨年7月に同地裁へ提訴した。
公判を傍聴した小林さんは「市民の“知る権利”を軽視しており、時代に逆行している。この判決によって赤穂市の情報公開、市民の市政参加が後退することを危惧する」とコメント。控訴については「検討して判断したい」と述べた。
▼豆田正明市長の談話=「市の主張が認められた妥当な判決。今後も、引き続き適正な文書管理に努めたい」
掲載紙面(PDF):
2012年6月23日(1995号) 1面 (7,152,618byte)
(PDFファイルを閲覧するにはこちらからAdobe Readerを入手してください。)
判決で栂村明剛裁判長は、本件アンケートが目的以外に使用しない前提で行われた点を挙げ、「市民が結果の開示を想定していたとは認め難い」と指摘。開示によって、「身元を特定されることを恐れて率直な否定的意見を記載しなくなる」などと想定した上で、「市民の市に対する信頼が害され、市が今後同種の調査を行うに当たり市民の協力を得られなくなったり、利用価値の高い意見が寄せられなくなったりする事態が生じる」と認定した。
「おそれは抽象論にすぎない」などと反論した原告側の主張については、「(赤穂は)それほど大きくない都市であって、住民間の関係も密接であることがうかがわれる。おそれは、具体的な根拠に基づくものというべき」と退け、「開示の利点を考慮しても、支障を看過することはできない」と判断した。
アンケートは平成21年7月に無記名式で実施。全世帯のおよそ7割に相当する1万3822件の回答があった。市は、選択式設問の集計結果はグラフ化して市広報、ホームページで公開したが、自由記述欄の内容についてはホームページでキーワードのみの紹介にとどめた。
原告の赤穂市議、小林篤二さん(60)=本水尾町=は22年10月に公文書開示を請求したが、市は「アンケートは目的以外に使用しない前提で、自由意見を公開することは市民と市の信頼関係を損なうおそれがある」「今後、市が実施する調査研究事務を不当に阻害するおそれがある」などと非開示決定。不服申し立てに対しても、市情報公開審査会(有田伸弘会長)の「非開示とした決定は妥当」との答申を基に却下されたため、昨年7月に同地裁へ提訴した。
公判を傍聴した小林さんは「市民の“知る権利”を軽視しており、時代に逆行している。この判決によって赤穂市の情報公開、市民の市政参加が後退することを危惧する」とコメント。控訴については「検討して判断したい」と述べた。
▼豆田正明市長の談話=「市の主張が認められた妥当な判決。今後も、引き続き適正な文書管理に努めたい」
<前の記事 |
掲載紙面(PDF):
2012年6月23日(1995号) 1面 (7,152,618byte)
(PDFファイルを閲覧するにはこちらからAdobe Readerを入手してください。)
[ 社会 ]
赤穂管内居住の新規陽性者1人(6月16日) [ 社会 ] 2022年06月16日「はき古した靴見せて」訪問買い取り業者の本当の狙いは… [ 社会 ] 2022年06月16日赤穂管内居住の新規陽性者2人(6月15日) [ 社会 ] 2022年06月15日赤穂管内居住の新規陽性者8人(6月14日) [ 社会 ] 2022年06月14日赤穂管内居住の新規陽性者1人(6月13日) [ 社会 ] 2022年06月13日赤穂管内居住の新規陽性者4人(6月12日) [ 社会 ] 2022年06月12日「産廃計画断固阻止」住民投票へ総決起集会 [ 社会 ] 2022年06月12日コンセプトは「昔の縁側」坂越に古民家カフェ開店 車から意識不明者救助 善行の2人に「のじぎく賞」 塩屋堂山から悪臭 県が発生源を指導 赤穂管内居住の新規陽性者3人(6月10日) [ 社会 ] 2022年06月10日《市民病院医療事故多発》医療過誤の警察不届け 市長「遺憾」 福祉向上に貢献「つつじ賞」など5個人7団体 赤穂管内居住の新規陽性者4人(6月9日) [ 社会 ] 2022年06月09日加里屋川整備連絡協に河川功労者表彰
コメント
記事を単純に見る限り、知る権利と知りたがりは違うと思います。
ところで、総合計画はもうできてるんでしょ。もうアンケート内容はどうでもいいんじゃないんですか?
でも次、控訴するんですよねぇ〜。また税金が使われるんですよねぇ〜。
ちょっと税金の使いみちがちがいませんか?
0 0
投稿:市民 2012年06月19日0 0
投稿:えっ 2012年06月19日コメントを書く