市民病院の市内救急受け入れ、前年から半減
2008年07月05日
赤穂市消防本部の統計によると、従来は市内で発生した救急患者の65%を受け入れていた赤穂市民病院の収容割合が、今年3月以降は50%程度に低下していることがわかった。市内の救急指定病院全体の収容率は「何とか95%近くを確保できている」(市消防)ものの、そのしわ寄せがもう一つの救急指定病院の赤穂中央病院へ。市消防は「このままの状況が続くと、市外搬送しなければならないケースが増えるのでは」と危機感を強めている。
市消防調べでは、平成19年中に市内で発生した救急搬送人数は1676人。搬送先の内訳は▽市民病院1122人(67%)▽中央病院473(28%)▽その他81人(5%)。それ以前の年も「だいたい同じような割合」で推移してきたという。
その割合に変化が現れたのは今年3月。年度末で市民病院の医師が大量退職したことが影響したとみられ、5月までの3カ月間の搬送人数は▽市民病院172人(51%)▽中央病院143人(43%)▽その他19人(6%)となった。
5月のデーターを見ると、市民病院が受け入れた市内分は50人で、106人だった前年の半分以下。同病院は「3人いた脳神経外科医のうち2人が3月末で退職し、脳疾患患者を受け入れできなくなっていることが大きな原因」としている。今年3〜5月に同病院が収容した救急脳疾患患者数は14人(市外からの搬送分も含む総数)で前年の89人を大きく下回る。
ある医療関係者は「病院や医師の努力で何とかなるものではなく、国の施策によるところが大きい」と構造的な問題であることを指摘。市民病院は「勤務医全員が精一杯の治療をしている状況であることは理解してほしい」とコメントしている。
一方、前年のほぼ倍近い救急患者が回ってくるようになった中央病院は「医師、看護師への負担が増していることは否めない」としながらも、「できる限り要請を断らずに受け入れたい」との方針。脳神経外科については非常勤を含めて4人のドクターが勤務しており、「救急指定病院として市民病院とうまく連携し、ともに赤穂の医療を支えることに努めたい」と話している。
掲載紙面(PDF):
2008年7月5日(1802号) 1面 (7,773,040byte)
(PDFファイルを閲覧するにはこちらからAdobe Readerを入手してください。)
市消防調べでは、平成19年中に市内で発生した救急搬送人数は1676人。搬送先の内訳は▽市民病院1122人(67%)▽中央病院473(28%)▽その他81人(5%)。それ以前の年も「だいたい同じような割合」で推移してきたという。
その割合に変化が現れたのは今年3月。年度末で市民病院の医師が大量退職したことが影響したとみられ、5月までの3カ月間の搬送人数は▽市民病院172人(51%)▽中央病院143人(43%)▽その他19人(6%)となった。
5月のデーターを見ると、市民病院が受け入れた市内分は50人で、106人だった前年の半分以下。同病院は「3人いた脳神経外科医のうち2人が3月末で退職し、脳疾患患者を受け入れできなくなっていることが大きな原因」としている。今年3〜5月に同病院が収容した救急脳疾患患者数は14人(市外からの搬送分も含む総数)で前年の89人を大きく下回る。
ある医療関係者は「病院や医師の努力で何とかなるものではなく、国の施策によるところが大きい」と構造的な問題であることを指摘。市民病院は「勤務医全員が精一杯の治療をしている状況であることは理解してほしい」とコメントしている。
一方、前年のほぼ倍近い救急患者が回ってくるようになった中央病院は「医師、看護師への負担が増していることは否めない」としながらも、「できる限り要請を断らずに受け入れたい」との方針。脳神経外科については非常勤を含めて4人のドクターが勤務しており、「救急指定病院として市民病院とうまく連携し、ともに赤穂の医療を支えることに努めたい」と話している。
<前の記事 |
掲載紙面(PDF):
2008年7月5日(1802号) 1面 (7,773,040byte)
(PDFファイルを閲覧するにはこちらからAdobe Readerを入手してください。)
[ 社会 ]
高取峠に忠臣蔵アート看板 赤穂高校美術部が制作 [ 社会 ] 2024年05月19日「知恵と工夫で千種川を世界に誇れる川に」 [ 社会 ] 2024年05月13日商議所青年部新会長に金礪慶氏 [ 社会 ] 2024年05月07日市自治功労者 塩屋の山田和子さんら5人 [ 社会 ] 2024年05月07日令和6年春の叙勲 赤穂市から2人受章 [ 社会 ] 2024年05月06日6年ぶり消防操法大会 優勝は第6分団 [ 社会 ] 2024年05月05日「消滅可能性自治体」全国744 赤穂市も瀬戸際 [ 社会 ] 2024年04月27日青木さやかさん「後押ししてくれる仲間を」新入社員にエール ワクチンCC不正疑惑 「作業実態ない事務局」賃料請求か [ 社会 ] 2024年04月20日不正請求などで就労継続支援事業所の運営法人を行政処分 特殊詐欺被害防いだ「ファミリーマート赤穂東浜店」に署長感謝状 [ 社会 ] 2024年04月18日復元納棺師の笹原留似子さん講演「命大事に輝かせて」 [ 社会 ] 2024年04月17日2自治会に防犯カメラ寄贈 赤穂ロータリークラブ [ 社会 ] 2024年04月16日病院事業管理者 給料5%カットへ 市管理の公園 ごみ箱を原則撤去 [ 社会 ] 2024年04月13日
コメントを書く