西有年でも産廃処分場計画
2013年11月16日
「東洋開発工業所」が梨ヶ原地区で配布した資料
計画しているのは大阪府豊能郡の「株式会社東洋開発工業所」(西脇勝社長)。同社が今年4月に梨ヶ原地区で配布した資料によると、計画地は大山峠南の山林。埋立容量、持ち込み品目は明らかではないが、「主に無害な建築廃材を中間処理したもの」と記述している。また、処分場の運営主体として「日本最大の環境リサイクル企業である大栄環境株式会社が行う」としている。
不動産登記簿によれば、計画地の面積は合計約41万6500平方メートルで甲子園球場のグラウンド約32面分の広さ。地元の人の話では、梨ヶ原川の水源の一つである「論気谷(ろんげだに)」の南側あたりで、一帯に降った雨は同川から安室川を経て千種川へ流れ込む。過去にもサーキット場や産廃処分場の計画が持ち上がったが、いずれも農業用水の汚染など環境悪化を懸念した地元住民の反対で取り止めになったという。
取材によれば、同社は平成18年2月に資本金1000万円で設立。その約3カ月後に大阪市内の不動産会社から計画地を購入した。22年7月には産廃処分場設置計画の「事前協議書」を県へ提出して一旦受理されたものの、「内容が不十分」として同年11月に県が返戻。23年11月には会社の事業目的に、それまではなかった産廃処理処分業関連の項目を追加登記した。
一連の同社の動きに同町住民は敏感に反応。約1200筆の署名を添え、船坂地区連合自治会長と梨ヶ原自治会長の連名で「計画反対」の要望書を23年4月、県知事と町長へ宛てて提出した。今年4月に同社から説明会開催の申し入れがあった際は梨ヶ原地区で世帯投票を行い、反対多数で受け入れを拒否。地区公民館や集会所の使用も断られた同社は、やむなく民間施設で任意の説明会を5月に開いたが、参加者は「数人程度」だったという。
同社側はその後も計画を断念せず、参画企業の役員も加わり、「話だけでも聞いてほしい」「疑わしいものではありません」などと住民を戸別に訪ねて説得にかかっているもよう。赤穂民報の取材申し込みに対し、同社は12日、「逃げも隠れもしないが、今のところは取材に応じられない」と答えた。
各関係者の談話は次のとおり。
▼西播磨県民局県民室・神田泰宏環境参事=「事前協議書を返戻した以降、何の書類も受け取っていない状態だ」
▼赤穂市環境課・橋本圭司課長=「平成22年に業者から、県へ事前協議書を提出したとの報告を受けたことがある」
▼上郡町住民課・松本賢一課長=「計画があることがわかって以降、地元自治会と県との情報交換を密にしている。住民の意思を尊重したい」
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掲載紙面(PDF):
2013年11月16日第1部(2061号) 1面 (13,210,052byte)
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投稿:びしっと言わな 2013年11月16日コメントを書く