産廃処分場予定地に断層破砕帯
2013年11月30日
断層破砕帯が存在する産廃最終処分場予定地の北側斜面
守る会は、事業者が作成した事業計画書の「岩級区分平面図」を精査した。施工予定地の北側斜面から南東方向へ断層破砕帯が貫通していることを確認。一部の地質は6段階ある「岩盤等級区分」で最も硬度の低い「D級」だった。他にも等級の低い地質が帯状に分布している箇所が複数あり、現地を視察した専門家からは「断層が広範囲に分布している」との見解を得たという。
破砕帯は断層運動によって地層あるいは岩石が粉々に砕かれた部分が一定の幅と方向で延びているもの。強度が低く、地滑りを引き起こす場合がある。「D級」は「風化作用を受けて軟質化」し、「ハンマーによってわずかな打撃を与えるだけで崩れ落ちる」岩盤。ダムの建設基準では「不良」または「きわめて不良」に分類される。
赤穂民報が話を聞いた専門機関は、「断層があるから一概に地盤が弱いとは言えないが、一般論としては断層に水が集まりやすく、結果的に弱くなりやすい」(日本地質学会)、「D級岩盤は大きな荷重がかかった場合、地滑りの危険性を無視できない」(全国地質調査業協会連合会)とリスクを指摘した。
しかし、同社は施工予定地の地質調査結果について事業計画書の中で、「最終処分場の立地として適性度が高いと言える」「地盤の支持力度に問題ないと言える」と楽観。住民説明会でも「ガチガチの岩をくり抜いたボウル。部分的に崩れるということは考えにくい」と危険性を否定している。
守る会の川西康行事務局長(65)は「地震や200万トンもの産廃の荷重によって断層がずれた場合、遮水シートの破損は必至。断層を“水みち”として海や集落へ汚染水が漏出する危険性がある」と警鐘を鳴らす。この問題点については、すでに県知事宛ての意見書でも指摘したといい、「県は計画を認可すべきではない」と語っている。
<前の記事 |
掲載紙面(PDF):
2013年11月30日(2064号) 1面 (11,046,771byte)
(PDFファイルを閲覧するにはこちらからAdobe Readerを入手してください。)
ヨモギ寄生のハマウツボ 標本化に成功初か [ 社会 ] 2018年08月22日車椅子降りて海へ 障害児がシュノーケル [ 社会 ] 2018年08月21日赤穂城跡に野生のシカ 逃走して山へ [ 社会 ] 2018年08月18日キャンプでタイムカプセル 10年ぶり再会 [ 社会 ] 2018年08月13日産廃処分場計画地を市議団が現地確認 [ 社会 ] 2018年08月12日「サムライの聖地」PRで観光甲子園 [ 社会 ] 2018年08月11日中絶処置めぐる訴訟 最高裁が上告不受理 [ 社会 ] 2018年08月10日「産廃処分場建設反対」署名数5年前超える [ 社会 ] 2018年08月06日みんなで一緒に願い事 [ 社会 ] 2018年08月06日「忠臣蔵」新作映画化へ推進委 [ 社会 ] 2018年08月03日キッズ保安官が安全運転PR [ 社会 ] 2018年07月30日「避難準備・高齢者等避難開始」を解除 [ 社会 ] 2018年07月29日唐船サンビーチでぬかるみ再発 [ 社会 ] 2018年07月26日英大学生が緞通工房など見学 [ 社会 ] 2018年07月25日関西福祉大と赤穂高が協定締結へ [ 社会 ] 2018年07月24日
コメントを書く