医療レベルの向上を目的に赤穂市民病院（小野成樹院長）は新病棟建設と本館改修を計画に含む第２期基本構想をこのほど策定した。総事業費は約３６億円。平成２９年度末の整備完了を目指し、来年度当初予算案に一部予算を計上する予定だ。
　構想によると、新棟は本館北側の駐車場を建設予定地とし、鉄骨造４階建て、延床面積約６１４０平方メートル。悪性腫瘍の画像診断に効果を発揮するＰＥＴ装置、健診センターなどを備える。本館から移す人工透析室は現状の３０床から５０床に拡充。浸水対策として機械室、電気室を最上階に設置する。
　新棟と渡り廊下でつながる本館には、人工透析室の跡スペースにＩＣＵ（集中治療室）とＣＣＵ（冠状動脈疾患管理室）を計８床整備。手術室と同じフロアとし、患者の術後負担を軽減する。急患を受け入れる救急処置室は現状の１・８倍の広さに拡大。将来的な医師と研修医の増員に対応するため医局面積の拡充、当直室の充実など職場環境の向上も図る。
　敷地西側の平面駐車場はドクターヘリの発着場予定地として確保する一部スペースを除いて３層構造に立体化。新棟建設によってなくなる本館北側駐車場を補い、合計駐車台数は現状の３５２台から４０４台に増える。立体駐車場と本館の間は雨天時でも濡れないようにアーケードを取り付ける。
　整備に伴い、総合診療科と乳腺外科を新設。常勤医師は５９人から６７人に増やす計画だ。その他、▽血管造影装置の追加（１台→２台）▽外来化学療法の充実（８床→１４床）▽エコー室の拡充（３室→６室）▽内視鏡部門の充実（２室→３室）▽外来診察室の拡充（４ブロック→５ブロック）なども盛り込んだ。
　総事業費の９７％を病院事業債で充当。スケジュール案によると、２６年度に基本設計と立体駐車場整備を実施する。新棟は２８年度中に完成し、順次機能を移管。３０年度に経常損益の黒字化を見込んでいる。
　同病院は平成１９年にも新館の２棟増築を柱とした構想をまとめたが、約５１億円に上る総事業費が高額として理解を得られなかったため再検討していた。今回策定された構想は１２月１８日の議会全員協議会で提示。１月１５日（水）に２度目の協議会で話し合われる。

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掲載紙面（PDF）：
2014年1月1日・第２部(2069号) 1面 (8,697,268byte)
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