鳥井の坂に伝統の音頭響く
2014年01月13日
29年ぶりに開催された坂越・鳥井町「曳きとんど」
カスタネット隊の小学生から80代の高齢者まで約90人が台車を先導する形で隊列を組み、小雨の中を午後4時半ごろに木戸門前を出発。間もなく雨が止んで録音テープを再生していた三味線が生演奏になると、「ハリショーエー」の掛け声で始まる音頭も一層活気づいた。大勢の見物人やカメラマンを引き連れ、旧坂越浦会所前の県民交流広場まで約700メートルを1時間ほどかけて練り歩いた。
終盤は「シャンリンシャンリン」と呼ばれる三味線の演奏に切り替わり、広場に到着した台車からとんどを降ろして点火。勢いよく燃え上がる炎に合わせ、囃子のテンポがどんどん上がり、参加者や見物人たちが燃え盛るとんどを輪になって見守った。
前回に曳きとんどが行われた昭和60年に亡父・大三さんが自治会長として行事を取り仕切った渡海泰子さん(64)は太鼓方で参加。「とっても喜んでくれているはず」とばちを握る手に力が入った。鉦を受け持った中学1年の澤田敦君(13)は「リズムを取るのが難しかったけど、練習したので間違えずに音を鳴らせた。伝統のある行事に参加できたのがうれしい」と話した。
見物するために友人6人で帰省した坂越出身の貿易商社経営、楠游浩さん(78)は「若いころに聴いた音頭の記憶がよみがえりました。懐かしく、一生の思い出になりました」。実行委員会長の永石正勝・鳥井町自治会長は「みんなの願いが通じて雨も上がり、無事に開催できて本当によかった。おかげで坂越の伝統をつなぐことができました」と感慨深そうに話した。
<前の記事 |
掲載紙面(PDF):
2014年1月18日(2071号) 1面 (5,750,037byte)
(PDFファイルを閲覧するにはこちらからAdobe Readerを入手してください。)
高雄地区が「ふるさとマップ」 [ 文化・歴史 ] 2011年04月04日西野山古墳の遺物が上郡町文化財に [ 文化・歴史 ] 2011年04月04日復元弥生住居の屋根葺き替え [ 文化・歴史 ] 2011年04月02日県景観形成重要建造物に塩屋「寺田邸」 [ 文化・歴史 ] 2011年04月02日怒りの川柳コンクール2010入賞者 [ 文化・歴史 ] 2011年03月28日城跡復元にかける思いを熱弁 [ 文化・歴史 ] 2011年03月27日“ちびっこバイオリニスト”が演奏 “くぼっち先生”の絵本コラムが本に [ 文化・歴史 ] 2011年03月26日「忠臣蔵」第2巻、29日から配本 メイプル写友会が27日まで写真展 [ 文化・歴史 ] 2011年03月25日福島出身・斎藤清のチャリティ版画展 赤穂城跡40年の足跡スピーチ [ 文化・歴史 ] 2011年03月19日バイオリン教室、第9回発表会 風情感じて旧街道ウオーク [ 文化・歴史 ] 2011年03月13日義士の遺品に視線集まる [ 文化・歴史 ] 2011年03月13日
コメント
0 0
投稿:来年、曳きとんどあります 2016年12月19日0 0
投稿:高砂壽造 2014年01月16日次世代へ継承する手がかりとして、努力致しました。 ふるさと坂越の伝統行事として末永く伝えて行きたいと思います。
0 0
投稿:S.なぎさ 2014年01月16日50年ほど前に微かな記憶がありますが、改めて郷土の正月行事「曳きとんど」の実感を体験し、素晴しい思い出になりました。今もお囃子の音色がよみがえります。心温まる伝統行事の末永い継承を祈ります。
0 0
投稿:楠 游浩 2014年01月15日コメントを書く