ドラゴンボート日本選手権 磯風漕友会が初制覇
2008年07月21日
悲願の日本選手権Vゴールを目指し力漕する磯風漕友会のクルー
磯風は相生市看護専門学校のOB、現役生らで構成。看護師などの仕事や学業にいそしみつつ、毎夜学校の特設水槽や相生湾に集まり練習に励む。クルー、スタッフに赤穂市在住者も多い。
国際大会で3位に入賞するなど高い実力を持ちながら、日本選手権は過去3大会で2位2回、3位1回。僅差で栄冠を逃してきた。
「勝負どころで集中できない」と精神的な弱さを痛感した河田英幸監督(45)=加里屋=は“男気魂”をキーワードに、西播磨に点在するメンバー宅を丸1日かけて巡る「24時間200キロ駅伝」やマシンを最大負荷にして30分間近くこぎ続ける「地獄のエアロバイク」など無謀とも思えるほどのトレーニングを選手に課した。
「泣き叫びながらペダルを踏む様はまさに地獄だった」(河田監督)と振り返る極限状態を乗り越えた選手らの変化はすぐにレースに現れた。これまで一度も勝てなかった6月の相生ペーロンで初優勝したのに続き、今月の兵庫カップを連覇。松野孝政主将(32)は「チーム全員の気持ちがぶれなくなった」と手応えを感じたという。
そして、何よりも欲しかった日本選手権の“王座”。決勝は「3回漕いだ時点で“いける”と確認した」(松野主将)というぐらいクルーの気持ちは一つに。2位に半艇身以上の差をつけ、歓喜のゴールへ飛び込んだ。
創部10年目でつかんだ日本一。同時に、来年8月にチェコで行われる世界選手権の代表権も獲得した。
チームの信条は「負けて悔いなし、勝って感謝」。「練習の成果を“雑草集団”が証明してくれた」と河田監督は選手、スタッフ一丸のがんばりをねぎらった。
29日にはマレーシア・ペナンで開かれる「第6回クラブ・クルー世界選手権」に向けて日本を旅立つ。19の国と地域から約90クラブが参加する大会。“男気魂”で欧州勢など世界の強豪に一泡吹かせるつもりだ。
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