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手編み靴下で被災地へ温もり

 2014年03月11日 
手編み靴下を袋詰めする「手編みホームカバーお届け隊」のみなさん
 東日本大震災の被災地へ温もりを届けようと、赤穂の女性グループがボランティアで贈り続けてきた手編み靴下のプレゼントが3年間で通算3万2000足を超えた。
 純毛、化繊、レース糸など太さと材質の異なる4種類以上の素材を編み込んだ靴下は丈夫でポカポカ。「心の温かさが足元に伝わります」「感謝で涙があふれ出ました」といった礼状が届き、グループのメンバーたちは「思いを受け止めてもらえたなら、こんなにうれしいことはない」と感激している。
 活動の起点となったのは、南野中の藤木智代さん(66)=専光寺坊守=。テレビで繰り返し流れる被災地の映像に心を痛め、「せめて自分に出来ることを」と、余った毛糸でホームカバー(厚手の室内履き靴下)を編んで東北へ贈ろうと思い立った。
 最初の1カ月で約50足が編めた。「もっと大勢で取り組めば、もっとたくさん編める」とPTA仲間に声を掛け、公民館など約30カ所で編み方講習会を開いた。半年後には「播州赤穂 手編みホームカバーお届け隊」の名義で第一便2400足を仙台の復興支援センターへ送り届けることができた。
 同級生、同じ宗派の寺院、上師範を務める詩吟の仲間にも協力を要請。相生、上郡、姫路など西播磨を中心に賛同の輪はどんどん大きくなり県外にも波及した。編み手だけでなく、毛糸集めや袋詰めを手伝ってくれる人も現れた。材料が足りなくなると、活動を知った大阪、姫路の毛糸メーカーや問屋が在庫品を無償で提供してくれた。
 完成品は左右をリボン、ひもで結んでから透明の袋にラッピング。左右いずれかの中に作り手が書いたメッセージカードや折り鶴などを入れている。足の大きさや好みに合うように、さまざまなサイズや色柄を取り揃えて箱詰め。毎年秋には岩手、宮城、福島の仮設住宅を巡って直接手渡し、石巻や大船渡など現地からの要望に応えて編み方講習会も各地で開催した。
 メンバーの一人で加里屋の主婦、宍戸公子さん(63)は「距離は遠く離れていても、身近に感じられるようになりました」と話す。北野中の主婦、菊月久子さん(66)は「一人一人のお顔を思い浮かべながら編みました」と振り返る。
 グループとしての活動は今月末で一区切りとするが、関わったボランティアからは「もっと続けたい」という声が上がっているという。藤木さんは「多くの方々の支えのおかげで生まれたつながりをこれからも大切にしていきたい」と話している。
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掲載紙面(PDF):
2014年3月15日・第1部(2078号) 1面 (9,815,065byte)
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コメント

ひとくちに三年と言いますが、それだけ続けるには大変なご苦労があったと思います。皆さまのお気持ちは受け取られた方々の心の中にずっと温かに残ることでしょう。

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投稿:おつかれさまでした 2014年03月11日

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