赤穂緞通の発展へ工房がNPOに
2015年05月23日
阪口キリヱさん=左から2人目=と広門マツエさん=同3人目=から赤穂緞通の作品評価を受ける井関京子さん=右端=ら花工房のメンバー
赤穂緞通は鍋島(佐賀)、堺(大阪)と並んで「日本三大緞通」の一つに数えられる手織りじゅうたん。時代の流れとともに衰退したが、平成3年から11年まで市教委が開いた織り方講習会の修了生らが市内で複数の工房を立ち上げ、それぞれ活動している。
NPOになったのは元沖町の井関京子さん(62)ら第1期生3人の「赤穂緞通を伝承する会花工房」。講習会が終了して16年が経過し、「正しい技術継承と地場産業化の体制を確立しなければ、赤穂緞通は再び『幻』になってしまう」との強い危機感から、基盤作りの一環として法人格を取得した。
インテリアデザインに詳しい内井乃生・文化学園大学名誉教授=東京都世田谷区=を名誉顧問に迎え、かつての織り子で市選定保存技術保持者の阪口キリヱさん(93)と広門マツエさん(94)=いずれも御崎=が月1回の研修会で技術指導する。赤穂雲火焼の桃井香子さん(72)=御崎=、書写塗の岡田道明さん(56)=たつの市=ら伝統工芸を復元・復活させた実績のある異分野のものづくり作家が理事に加わり、運営をサポートする。
今後は販路拡大へ向けて展示会に積極的に出品するほか、緞通製作を障害者就労につなげる支援も行う。運営にかかる費用は年会費(正会員1000円、賛助会員1万円)と会員が製作した緞通の販売収益の一部を充てる。
年齢や性別、居住地を問わず入会できる。井関さんは「日本だけでなく世界に誇れる伝統をつなぐ思いをともに持ってくれる方にぜひ加わってほしい」と後継者を目指す人、活動を支援する個人・団体に入会を呼び掛けている。TEL090・6965・9162(井関さん)。
<前の記事 |
掲載紙面(PDF):
2015年5月23日(2136号) 1面 (5,703,246byte)
(PDFファイルを閲覧するにはこちらからAdobe Readerを入手してください。)
[ 文化・歴史 ]
日本遺産写真展 南宮町の関さん「水鏡」が最優秀賞 [ 文化・歴史 ] 2024年03月23日「水辺」テーマに作品展 メイプル写友会 [ 文化・歴史 ] 2024年03月18日姫路市美術展で寶山和久さん市長賞 [ 文化・歴史 ] 2024年03月07日「100%の演技のため120%の準備」市児童合唱団の定演 来月3日 第40回赤穂民報習字紙上展の入賞者 赤穂美術家連合会展 16日から赤穂化成ハーモニーホール 関西福祉大学吹奏楽団の定期演奏会 18日に赤穂化成ホール なぜ塩産地に? 「ブラタモリ」風動画でPRへ [ 文化・歴史 ] 2024年02月10日築150年の三木家住宅「アイデア組み合わせてリノベーションを」 [ 文化・歴史 ] 2024年01月30日赤穂緞通作家の見並なおこさんに「ふるさと文化賞」 師匠に続き受賞 [ 文化・歴史 ] 2024年01月29日鷏和の「国境石」破損 市教委「原因は不明」 折鶴300羽超つながる作品も 坂越で連鶴展 [ 文化・歴史 ] 2024年01月15日坂越地区テーマに「赤穂の魅力再発見講座」 炎と煙が生み出した「富士」 や「龍」 雲火焼陶板絵 [ 文化・歴史 ] 2024年01月03日華麗な文様表紙に 赤穂緞通の御朱印帳 [ 文化・歴史 ] 2024年01月02日
コメントを書く