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関福大・加藤明先生の「応援します!かしこい子育て・教育・介護」【第14回】

 2015年08月08日 
【学校は退屈を学ぶところではない】
 先日、本学の教職員を対象に「大学改革は、授業改革、意識変革から」と題して講話を行いました。その時の第一声が今回のタイトルです。
 私は職業柄、小、中学校で授業を見る機会が多くありますが、先生と子ども達の表情の両方が見える位置で参観するように心掛けています。
 「あれっ、先生の今のことば、ちょっと難しいんじゃないかな」と感じたら、すかさず子どもの顔を見ます。よく分からない、といった子どもの表情を読み取って分かりやすく説明し直す先生は良い先生だと思います。ぜひ、みなさんも参観日には教室の後ろではなく、横に立って「我が子が退屈していないかどうか」を確かめながら参観することをお薦めします。
 私たち教師は、テストだけでなく、このように表情や学習の様子の観察、ノートの点検、それに小テストなどによって、子ども達の理解を確かめながら授業を進めています。子ども達は私たちが期待しているほど分かっていないものだからです。
 学校でも、家庭でも、子ども達に勉強を教える時の禁句は、「分かりましたか」です。こう聞かれたら「分かりません」とは、答えにくいからです。私は「もう一度説明しようか」と聞いていました。これだと「もう一度説明して」と言いやすいからです。
 子ども達が退屈になる理由の第一は、勉強が分からないから、できないからです。これは、今の授業が分からないだけでなく、これまでのことが分かっていない、できていないからということもあります。
 4年のわり算の筆算が分からない、できない理由は、3年のわり算だけでなく、3年のかけ算の筆算、さらに2年のひき算の筆算ができないことにもあるのです。それはたいへんと落胆するのではなく、この機会にこれまでのツケもまとめて返してしまおうとがんばればいいのです。
 方法は、下の学年の教科書を出してきて、勉強のやり直しをすること。「がんばったらできた」「やればできるんだ」このような自信をつけることがこれからの人生にとって、とても大切です。このようにして「退屈」を克服する力をつけたいものです。(関西福祉大学・学長)
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掲載紙面(PDF):
2015年8月8日・第2部(2148号) 2面 (6,481,900byte)
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