「いじめは許されない暴力」市民大会で宣言
2015年08月09日
中学生が「いじめ・暴力追放」を訴えかけた市民大会
平成24年に市内で発生した中・高校生らによる暴力事件を受け、いじめをなくそうとする各学校の取り組みを広く知らせるために始まった市民大会。3回目を迎え、「子どもたちが変わろうとしている姿に、私たち大人が良き刺激を受ける機会」(市教委)として開催し、教諭やPTAなど650人以上が来場した。
「いじめのない学校づくり」をテーマにしたシンポジウムでは、竹内和雄・兵庫県立大学環境人間学部准教授の進行で市内5中学校の代表生徒10人が意見を述べた。市内全中学生を対象に行ったアンケートで、いじめを見たときに「何もしない」と答えた生徒が4割近くあった点を課題ととらえ、生徒会をはじめクラスで影響力のある生徒が周囲の生徒へ呼び掛け、注意できる人を少しずつ増やしていくことが大切―などと提言した。
大会宣言の草案を考えた一人の有年中3年の大鷹幹樹君は(15)は「いじめを許さない、という強い気持ちをこれからも伝えていきたい」と抱負。ステージでの発表に耳を傾けていた50代女性は「いじめを子どもだけ、学校だけの問題と思わず、関心を持ちたいと思いました」と話した。
大会宣言は次のとおり。
* * *
宣言『いじめは許されない暴力である。』
誰もが「いじめはダメ」と知っているのに、いつでもどこでも生まれてしまういじめ。「自分とは関係ない」と思っていても、誰もが被害者にも加害者にもなるいじめ。だからこそもっと、私たちはいじめについて学び、考えなければならないのです。
いじめている“あなた”に。いじめは、あなたの心の弱さ、愚かさの表れです。人よりよく見られたい、格好悪いことは、したくない、自分を守りたい…。相手を攻撃し、相手を傷つけることでしか、自分が優位に立てないあなたの弱さがそこにあるのです。誰かをターゲットにすることでしか、価値観を共有できない仲間は本当の仲間でしょうか。
いじめられている“あなた”に。大切な人だから相談できない、心配させたくないのは、間違った我慢です。その我慢は決して、あなたの心を成長させるものではありません。自分では理由も分からず、いつ終わるのかも分からず、不安と孤独の闇に自分がのまれていく感覚。初めは小さな「いじめの芽」だからこそ、我慢も見過ごすこともできるのです。しかし、痛みを我慢して隠しているうちに、現状を変えることができない、後戻りをしてやり直すことができない「いじめ」に命を落とすことさえもあるのです。
いじめを見ている“あなた”に。見ているのに声を上げないのは、自分がいじめられたくないだけの歪んだ考え方です。「いじめ」はダメだと知っているのに、止められない“あなた”はどんなあなたでしょうか。見ている人も「いじめ」の加害者です。その怖さを知っているのに、痛みを感じる心があるのに、いじめを許さない心があるのに、ほんの少しの勇気が、あと一歩の勇気がないのです。あなたには聞こえているはずです。「それでいいのか」と問う、自分自身の心の声が。かけがえのないあなたの心とあなたの命であるように、目の前の仲間の心も命も大切な存在なのだから。
最後に大人の皆さんにお願いがあります。私たちを正しい「道」に導いてほしいのです。私たちは、プライドから誰にも言えない悩みを抱えています。自分から「助けて」と言えなかったり、自分の心に負けて相手を傷つけてしまったりすることがあるかもしれません。だから、普段から、私たちに関わって、私たちを見守っていてください。その背中で私たちが進むべき正しい道を示してください。世の中をうまく立ち回る術や、「自分」を優先し、「他人」を後回しにする社会はいらないのです。私たちが私たちで正しく判断して行動できるその日まで、力を貸してほしいのです。
今、私たちができる、私たちが進むべき道。それは、多くの人と交流を深めたり、誰もが平等で相手を尊重したり、小さなことでも一生懸命になって尽くしたりすること。そこから、少しずつたくさんの人々と心が通じ合い、いじめを起こさない雰囲気を作ること。小さなきっかけのうちに「いじめの芽」を摘み取ること。普段の生活でも人との関わりを大切にし、人との出会いに感謝して、人を思いやること。新たな社会をつくる担い手として、自分たちの志を持って生きていくことを精一杯に尽くしていくことです。
私たちは、自分と仲間のつながりを大切にし、私たちと私たちを支えてくれる、保護者や学校、地域のつながりを大切にして、私たちの仲間から、いじめや暴力、傷つく人をなくすために、共につながり合い、手を取り合って、誰もが笑顔で過ごせる赤穂市を目指します。『いじめは許されない暴力である。』本質を見極める力を持ち、私たちは誇りと勇気を持って、明日への扉を開くことをここに宣言します。
平成27年8月9日
児童・生徒代表 赤穂市立有年中学校 大鷹幹樹
<前の記事 |
掲載紙面(PDF):
2015年8月22日(2149号) 1面 (11,120,927byte)
(PDFファイルを閲覧するにはこちらからAdobe Readerを入手してください。)
県内自治体では初 ユーチューブ収益化導入 [ 社会 ] 2022年08月31日市民病院 第1四半期で年間目標超える収支改善 コロナ空床補償の恩恵も [ 社会 ] 2022年08月30日赤穂健福管内居住の新規陽性者132人(8月30日) [ 社会 ] 2022年08月30日現道改良見込む高取峠を視察 [ 社会 ] 2022年08月30日赤穂健福管内居住の新規陽性者109人(8月29日) [ 社会 ] 2022年08月29日赤穂健福管内居住の新規陽性者138人(8月28日) [ 社会 ] 2022年08月28日赤穂健福管内居住の新規陽性者137人(8月27日) [ 社会 ] 2022年08月27日《市民病院医療事故多発》いまだに説明ない患者も [ 社会 ] 2022年08月27日《市民病院医療事故多発》多発と同時期にレベル基準改訂 [ 社会 ] 2022年08月27日赤穂健福管内居住の新規陽性者170人(8月26日) [ 社会 ] 2022年08月26日赤穂健福管内居住の新規陽性者154人(8月25日) [ 社会 ] 2022年08月25日赤穂健福管内居住の新規陽性者203人(8月24日) [ 社会 ] 2022年08月24日赤穂健福管内居住の新規陽性者115人(8月23日) [ 社会 ] 2022年08月23日詩吟体験教室の子どもたちが奉納吟詠 赤穂健福管内居住の新規陽性者35人(8月22日) [ 社会 ] 2022年08月22日
コメントを書く