日本社会福祉学会の学術賞に中村剛教授
2015年09月12日
日本社会福祉学会「学術賞」の受賞が決まった中村剛教授
受賞対象となったのは、中村氏が自身7冊目の著書として昨年3月に上梓した『福祉哲学の継承と再生−社会福祉の経験をいま問い直す』(ミネルヴァ書房、A5判584ページ)。科学的な見地からのアプローチに偏りがちな社会福祉研究に対して、福祉を根源から問い考える「哲学」からのアプローチが「革新的・根源的」と高い評価を得た。
学術賞は社会福祉の分野では国内で最も古い歴史を持つ同学会が創立50周年を契機に平成16年に創設。前年一年間に公刊された単著を対象に審査し、最も評価の高かった研究業績を称える。過去11回のうち5回は「該当者なし」と、選考は極めて厳格だ。
中村氏は大学卒業後、神奈川、埼玉などの知的障害者施設で支援員、相談員として19年間勤務。そこでの経験をきっかけに研究活動をスタートした。一昨年に大阪大学大学院文学研究科文化形態論(臨床哲学)の博士後期課程を修了し、博士(学術)の学位を取得した。
「自分が受賞したということよりも、『福祉哲学』に学会が着目してくれたことがうれしい」と中村氏。「社会福祉学の構築に挑戦してきた先人の志を継承し、社会福祉学の確立に寄与したい」と穏やかな口調の中にも熱意を感じさせた。
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掲載紙面(PDF):
2015年9月12日(2152号) 1面 (11,855,742byte)
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