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赤高ナイン熱戦譜(33)プロの監督が打撃指導

 2015年10月31日 
 7回表、赤高の攻撃は5番の木村から。「何が何でも塁に出る」との意気込みで初球から打って出た。
 詰まりながらも高いバウンドのゴロがピッチャーの頭を越えてショートの前へ転がった。1塁への送球よりも木村の足が早く、内野安打となった。
 木村はチームで中村と一、二を争う俊足。1着の者から抜けるルールだったダッシュ練習でも、いつも最初か2番目にクリアしていた。その足で、赤高にとってこの試合初めてのヒットが生まれた。
 6番石橋は送りバントを失敗した後、強打に出て遊ゴロ。2塁封殺の木村に代わって1塁に石橋が残った。7番蓬は大きく落ちるカーブに見逃し三振。2死1塁で打順は8番の高尾に回った。
 高尾の記憶では3年の春ごろ、有望選手発掘のために赤高へ練習を見に来たプロ野球・広島の初代監督・石本秀一から簡単な打撃指導を受けたという。前年度に赤高の正捕手だった梶原寿美生が広島に入団していたつながりもあった。当時はまだプロアマ協定がなく、プロが高校生を指導出来た。
 前の打席で三振に倒れた高尾。「ボールを引きつけて打て」との石本の助言を思い出し、いつもよりバットを遅らせ気味に出して思い切り引っ張った。ライト方向へ流し打つヒットが多かったという高尾には珍しく、鋭い当たりが三塁手の頭を越えた。(文中敬称略)
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