赤高ナイン熱戦譜(9)浮き草よけて溝の水すする
2014年10月18日
学生服姿の選手たち=木村國勇氏提供
「ノックのボールが飛んできたら、わざとトンネルしてレフト後方のトイレまで行く。そこでこっそり水道の水を飲んどったね」とサードの塩崎。キャッチャーの木村は田んぼに入ったファウルボールを取りに行ったとき、浮き草を手でよけて溝の水を口に含んだ。「ぬるうてね。あの味は今でも忘れられん」。
練習前に草むらにこっそり茶瓶を隠しておき、喉を潤した部員もいたとか。「ほんまに水を飲まんと練習しとったら、命に関わったんちゃうかな」と木村は真顔で話す。実際、高尾は帰宅途中に目の前が真っ暗になり、他の部員に両脇を抱えられて家に戻ったことがあったという。
練習が終わると、手洗い場に直行して水道水をガブガブ飲んだ。そして、帰宅途中に花岳寺通商店街に立ち寄るのが彼らの楽しみだった。
木村「まずは『塩田』のキャンデー屋で一杯5円のカルピス。そのあと、『美津乃』で菊水焼。これも一個5円やった」
高尾「あのころは夜9時過ぎても商店街にようさん人がおって、にぎやかやったな」
「菊水焼」は楠木正成の家紋をかたどった、こしあん入りの焼きまんじゅう。忘れられない青春の味だ。(文中敬称略)
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掲載紙面(PDF):
2014年10月18日(2108号) 3面 (11,044,737byte)
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投稿:ベストをつくせ 2014年10月19日コメントを書く