坂越湾で純地元産のカキ収穫
2016年03月05日
坂越湾で地種から育てた“純坂越産”養殖カキの収穫がこのほど成功。従来はすべて他産地に頼っていた種ガキを地元で採取することで出荷の安定やブランド化につながるとして注目される。
地元産種ガキの養殖に成功したのは、かましま水産(鎌島宏文社長)。昨年7月末に採苗し、いかだ1台分を養殖したところ、およそ半年で出荷に適したサイズに育った。関係者によれば、20年ほど前に漁協が坂越湾での採苗を試験的に実施したが、技術確立と採算面がネックとなって打ち切られ、収穫まで至ったのは今回が初めてだという。
赤穂ではこれまで宮城、広島から種ガキを購入。そのため、東日本大震災の影響で宮城からの入荷がストップしたときは確保に苦心した。また、今季は仕入れた種ガキの幼生の付着率が低かったために収穫量が減少し、種ガキ確保の重要性が改めてクローズアップされたシーズンとなった。
カキの生態に詳しい森勝義・東北大学名誉教授=赤穂観光大使=は「カキの種苗は気候や自然条件に左右されやすいだけに、産地としては自前で採苗できる体制を整えておくのが望ましい」と語る。
鎌島社長は「採算や手間だけを考えると種ガキを購入したほうが有利だが、安定した供給のためにも今後も研究を続けたい」と話している。
掲載紙面(PDF):
2016年3月5日(2176号) 1面 (12,052,288byte)
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地元産種ガキの養殖に成功したのは、かましま水産(鎌島宏文社長)。昨年7月末に採苗し、いかだ1台分を養殖したところ、およそ半年で出荷に適したサイズに育った。関係者によれば、20年ほど前に漁協が坂越湾での採苗を試験的に実施したが、技術確立と採算面がネックとなって打ち切られ、収穫まで至ったのは今回が初めてだという。
赤穂ではこれまで宮城、広島から種ガキを購入。そのため、東日本大震災の影響で宮城からの入荷がストップしたときは確保に苦心した。また、今季は仕入れた種ガキの幼生の付着率が低かったために収穫量が減少し、種ガキ確保の重要性が改めてクローズアップされたシーズンとなった。
カキの生態に詳しい森勝義・東北大学名誉教授=赤穂観光大使=は「カキの種苗は気候や自然条件に左右されやすいだけに、産地としては自前で採苗できる体制を整えておくのが望ましい」と語る。
鎌島社長は「採算や手間だけを考えると種ガキを購入したほうが有利だが、安定した供給のためにも今後も研究を続けたい」と話している。
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