忠臣蔵のふるさと・播州赤穂の地域紙「赤穂民報」のニュースサイト
文字の大きさ

赤穂民報


  1. トップページ
  2. 社会
  3. 記事詳細

伸び悩む住宅耐震化率

 2016年09月10日 
 災害から命を守るための「事前防災」で重視される住宅耐震化率が全国的に伸び悩む中、赤穂市においても市耐震改修促進計画で平成27年度までの達成を目標とした「住宅耐震化率97%」に及ばず、80%未満程度にとどまっていることが市への取材でわかった。
 市は今年度中に計画を改定する予定で、「これまで以上に啓発に取り組み、住宅耐震化率の向上を図りたい」としている。
 平成21年3月に策定された同計画は市内の住宅1万6050戸(平成15年住宅・土地統計調査)のうち、新耐震基準が導入された昭和56年以前の建築で耐震性が不足しているとみられる住宅を5560戸と推定。市は簡易耐震診断や耐震改修への補助制度で耐震化を促すことで、平成27年度末までに耐震化率を65・4%から97%に引き上げる目標だった。
 しかし、現在の耐震化率は「80%近いあたり」(都市整備課建築係)。もともと計画の時点で、耐震性不足の住宅が建替や取り壊しで減少する一方、新耐震基準の新築住宅が増加することで「耐震化率は79・0%まで改善される」とされていた。簡易耐震診断の申請件数は87件、耐震改修工事費の補助金利用件数は6件と低調で、耐震化促進の取り組みが功を奏したとは言えない。
 耐震化率の全国平均は82%で、兵庫県は86・6%(27年度)。対象住宅に高齢者世帯が多く、費用面の問題から耐震化が進みにくい現状があると思われる。県は今年3月に改定した耐震改修促進計画で「耐震化率97%」の目標年度を平成37年度まで10年先送った。
 県の改定計画には、耐震性のない住宅34万6000戸すべてに耐震化を呼び掛ける「草の根意識啓発活動」が盛り込まれ、赤穂市も啓発活動をより重視した計画の改定を進めるとみられる。また、住宅本体の耐震化と比較して工事費が低額な「シェルター型工事」や「屋根軽量化工事」への補助事業を新たに導入する見通しだ。
 阪神淡路大震災では犠牲者の88%が「家屋・家具類等の転倒による圧迫死」だったとされる。また、地震で大破した建築物の割合が、昭和56年以降の新耐震基準では8・6%だったのに対し、旧耐震基準の建物は28・5%と3倍以上の被害があった。
 兵庫県が一昨年に策定した「南海トラフ巨大地震被害想定」では、地震の揺れによる被害(液状化、津波などの要因を除く)は赤穂市内で「全壊200棟、半壊1515棟、死者30人、負傷者777人」と想定されている。
<前の記事


掲載紙面(PDF):
2016年9月10日(2199号) 1面 (14,362,739byte)
 (PDFファイルを閲覧するにはこちらからAdobe Readerを入手してください。)
[ 社会 ]


コメントを書く

お名前 (必須。ペンネーム可):

メールアドレス (任意入力 表示されません):

内容 (必須入力):

※コメントは投稿内容を赤穂民報社において確認の上、表示します。
投稿ルールを遵守できる方のみご投稿ください。
今週のイベント・催し
23
(月)
 
24
(火)
25
(水)
26
(木)
27
(金)
 
28
(土)
 
29
(日)

最新のコメント

  • 《市民病院医療事故多発》科長が治療実績の不正付け替え提案←t(11/24)
  • JR播州赤穂駅「みどりの窓口」11月末で廃止←太郎(11/23)
  • 「今も昔もボール追う子の目は同じ」尾崎野球少年団50周年←元同級生39(11/23)

各種お申込み

以下より各お申込み、資料請求フォームにリンクしています。ご活用下さい。

スマホサイトQRコード

スマホ用URLをメールでお知らせ!
e-mail(半角入力)


ドメイン指定受信をされている方は「@ako-minpo.jp」を指定してください。

閉じる
中村唯心堂 中道工務店 矢野防水工業 赤穂メモリアルホール 野中砂子土地区画整理組合 花岳寺 兵庫県警
閉じる
中村唯心堂 中道工務店 矢野防水工業 赤穂メモリアルホール 野中砂子土地区画整理組合 花岳寺 兵庫県警