小堀遠州の水琴窟を再現
2016年12月10日
清らかな音色が響く小堀遠州考案の水琴窟と再現した長棟州彦さん
小堀遠州は備中松山藩主から近江小室藩主を経て幕府の作事奉行を務めた。古田織部に学んで遠州流茶道の祖となり、将軍や大名に茶道を指南。造園や作庭にも才を発揮した。
水琴窟は茶室そばの手水鉢に併設されることが多く、遠州流宗家には遠州が水琴窟の源流となる仕組み「洞水門」を考案したとの記録が残る。水琴窟研究家でもある長棟さんは宗家が作成した見取り図を基に洞水門を再現した。
大きな丸甕の中腹に左右2つの穴を開け、それぞれに小さなつぼを管でつないだ構造。全体を地中に埋設し、甕に落ちた水滴が内部で反響する音を楽しむ。これまで数多くの水琴窟を設計、施工した長棟さんは「これほど音の共鳴が明瞭な水琴窟は例がない。さすがは遠州」とすぐれた設計に感心した。
長棟さんは洞水門のそばに手水鉢と石灯籠を配した。いずれも赤穂藩主・浅野長矩の正室瑶泉院が暮らした三次浅野家江戸屋敷にかつてあったものだという。
長棟さんは「江戸時代の水琴窟が奏でる清らかな音色とともに内匠頭、瑶泉院、そして忠義を尽くした四十七士を偲んでもらえれば」と話している。
同ミュージアムの開館時間は午前10時〜午後4時。火曜休館。Tel56・9933。
<前の記事 |
掲載紙面(PDF):
2016年12月10日(2210号) 1面 (13,783,949byte)
(PDFファイルを閲覧するにはこちらからAdobe Readerを入手してください。)
子どもたちが忠臣蔵の史跡巡り 忠臣蔵の巨大絵巻を共同制作 『冨嶽三十六景』など版画展 [ 文化・歴史 ] 2013年08月03日旧坂越浦会所で赤穂緞通展 [ 文化・歴史 ] 2013年08月01日子どもたちが茶の湯体験 懐かしい音色も「ラヂオ&蓄音機」展 [ 文化・歴史 ] 2013年07月25日水の循環テーマに特別展 [ 文化・歴史 ] 2013年07月24日粘土で土器や埴輪を工作 「ひょんの実」で赤穂緞通 [ 文化・歴史 ] 2013年07月20日高校生が初々しく龍笛演奏 [ 文化・歴史 ] 2013年07月18日22団体が出演「合唱の祭典」 [ 文化・歴史 ] 2013年07月16日塩屋に夏呼ぶ俳句献納 [ 文化・歴史 ] 2013年07月13日家族で楽しめる交響コンサート 「日本塩業研究の父」足跡を回顧 [ 文化・歴史 ] 2013年07月10日能に新風「世阿弥」好演
コメントを書く