粟田哲也遺作展「古代文明からのいざない」
2017年08月12日
在りし日の粟田哲也さん
美術仲間を中心とした実行委員会が「粟田さんの作品と人柄を多くの人に知ってほしい」と企画。60年間にわたる創作活動で生み出された力作を一堂に並べ、故人を偲ぶ。
粟田さんは昭和12年に神戸市須磨区で生まれた。小学2年のとき、両親の故郷である赤穂市福浦へ疎開し、そのまま移住した。赤穂高から多摩美術大彫刻科へ進み、在学中に二科展に初入選。美術教諭として就職した以降も精力的に創作活動を続け、教職員美術サークル「白いチョークの会」、美術家グループ「群象の会」でも作品を発表した。
「ロダンにあこがれて彫刻を始めた」という粟田さん。石膏を手始めにセメント、焼物、木彫、金属とさまざまな素材を扱い、終生のテーマとした「古代文明からのいざない」を追い求めた。妻の和子さん(71)の話では、創作に没頭して4〜5日続けて徹夜することもあったという。
今展では、二科展初入選作や和子さんとの婚姻記念で制作した大作オブジェ「長船の奏跡」、昭和59年に二科展会友賞に輝いた作品など約70点を展示。また、素朴な画風が友人や知人に好まれた絵手紙約200点、自宅そばを流れる小川にちなんだペンネーム「鳴瀬川哲也」の名で投稿した文芸誌「かぼちゃ畑」の掲載号約50冊も並べる。
粟田さんと親交が深く、実行委員長として遺作展を企画した鷏和の元小学校長、氏平源吾さん(76)は「粟田さんは美術全般に造詣が深く、誰に対しても謙虚な人だった。作品が持つ素朴な力強さから人柄を感じてもらえれば」と話している。
20日(日)まで午前10時〜午後6時(最終日は4時まで)。
<前の記事 |
掲載紙面(PDF):
2017年8月12日(2242号) 1面 (10,283,825byte)
(PDFファイルを閲覧するにはこちらからAdobe Readerを入手してください。)
なぜ塩産地に? 「ブラタモリ」風動画でPRへ [ 文化・歴史 ] 2024年02月10日築150年の三木家住宅「アイデア組み合わせてリノベーションを」 [ 文化・歴史 ] 2024年01月30日赤穂緞通作家の見並なおこさんに「ふるさと文化賞」 師匠に続き受賞 [ 文化・歴史 ] 2024年01月29日鷏和の「国境石」破損 市教委「原因は不明」 折鶴300羽超つながる作品も 坂越で連鶴展 [ 文化・歴史 ] 2024年01月15日坂越地区テーマに「赤穂の魅力再発見講座」 炎と煙が生み出した「富士」 や「龍」 雲火焼陶板絵 [ 文化・歴史 ] 2024年01月03日華麗な文様表紙に 赤穂緞通の御朱印帳 [ 文化・歴史 ] 2024年01月02日日展で10年連続入選 塩屋の清水まみさん [ 文化・歴史 ] 2024年01月01日田辺眞人氏の歴史発見講座 受講者50人募集 「もう一度本格的な忠臣蔵を」時代劇研究家の春日太一さん講演 [ 文化・歴史 ] 2023年12月15日日本遺産サポーター講習会 修了者に白バンド進呈 義士ゆかりの大石神社に四十七士銘板 [ 文化・歴史 ] 2023年12月09日「感動させる演奏を」マーチングバンド全国大会で活躍誓う [ 文化・歴史 ] 2023年12月09日喜寿の紀行写真展「北の大地を行く」 [ 文化・歴史 ] 2023年12月03日
コメントを書く