関福大リレーコラム・自分を守る力を育む
2018年08月25日
朝晩は少し過ごしやすくなりましたが、今年も非常に暑い夏となりました。毎年、夏になると、海や川、山での悲しいニュースが届きますが、今年も海や川での事故が報告されています。
世界保健機関(WHO)の報告(Global Report on Drowning. 2014)によると、1年間に世界で37万2000人もの人々が溺死により命を失っています。すなわち、約1・5分に1人が尊い命を水辺の事故により失っていることになります。厚生統計要覧(厚生労働省)によると、我が国においても1年間に7000〜8000名もの方々が、溺死及び溺水で亡くなっており、そのうち15〜20%が、自然の水域内、もしくは自然の水域への転落による溺死及び溺水で亡くなっています。
柵や看板などを設けることにより、水辺に近づくことを制限することは、水辺での事故を防止するための方策の一つ(回避、あるいはコントロール)です。確かに水辺に近づかなければ、水辺での事故は起こらないでしょう。しかし、それだけではなく、基本的な水泳技術や水中で呼吸を確保する方法の習得、水辺の事故防止教育の実践が大切です。
旅行先にきれいな砂浜やプールがあるといかがですか? 入りたくなると思いませんか? Royal Life Saving National Drowning Report 2017(Royal life Saving Society-Australia)によると、2016年7月から2017年6月までにオーストラリアで発生した溺死のうち、約7%は海外旅行者であったと報告されています。
自然を楽しむためには、まず「何が危険であるか」、「いざというときに、どのようにすればよいか」を知らなければなりません。そのことが、いざというときに自分の身を守ることにつながるからです。自然は、優しさも厳しさも持ち合わせた教材であり、先生です。自然について学びながら、自然を楽しみ、自然と親しむ中で、危機管理能力(自分を守る力)を身に付けていけるものと考えます。
赤穂には、海、山、川など、豊かな自然が広がっています。学校、地域、家庭での教育ではもちろんのこと、この豊かな自然の中で、子どもたちにも多くのことに気付き、考え、動き、学び、「自分を守る(生きる)力」を養ってほしいと願います。(吉岡哲・教育学部保健教育学科准教授)
* * *
次回は教育学部保健教育学科の鈴木みちる助教です。お楽しみに!
掲載紙面(PDF):
2018年8月25日(2290号) 3面 (7,246,268byte)
(PDFファイルを閲覧するにはこちらからAdobe Readerを入手してください。)
世界保健機関(WHO)の報告(Global Report on Drowning. 2014)によると、1年間に世界で37万2000人もの人々が溺死により命を失っています。すなわち、約1・5分に1人が尊い命を水辺の事故により失っていることになります。厚生統計要覧(厚生労働省)によると、我が国においても1年間に7000〜8000名もの方々が、溺死及び溺水で亡くなっており、そのうち15〜20%が、自然の水域内、もしくは自然の水域への転落による溺死及び溺水で亡くなっています。
柵や看板などを設けることにより、水辺に近づくことを制限することは、水辺での事故を防止するための方策の一つ(回避、あるいはコントロール)です。確かに水辺に近づかなければ、水辺での事故は起こらないでしょう。しかし、それだけではなく、基本的な水泳技術や水中で呼吸を確保する方法の習得、水辺の事故防止教育の実践が大切です。
旅行先にきれいな砂浜やプールがあるといかがですか? 入りたくなると思いませんか? Royal Life Saving National Drowning Report 2017(Royal life Saving Society-Australia)によると、2016年7月から2017年6月までにオーストラリアで発生した溺死のうち、約7%は海外旅行者であったと報告されています。
自然を楽しむためには、まず「何が危険であるか」、「いざというときに、どのようにすればよいか」を知らなければなりません。そのことが、いざというときに自分の身を守ることにつながるからです。自然は、優しさも厳しさも持ち合わせた教材であり、先生です。自然について学びながら、自然を楽しみ、自然と親しむ中で、危機管理能力(自分を守る力)を身に付けていけるものと考えます。
赤穂には、海、山、川など、豊かな自然が広がっています。学校、地域、家庭での教育ではもちろんのこと、この豊かな自然の中で、子どもたちにも多くのことに気付き、考え、動き、学び、「自分を守る(生きる)力」を養ってほしいと願います。(吉岡哲・教育学部保健教育学科准教授)
* * *
次回は教育学部保健教育学科の鈴木みちる助教です。お楽しみに!
<前の記事 |
掲載紙面(PDF):
2018年8月25日(2290号) 3面 (7,246,268byte)
(PDFファイルを閲覧するにはこちらからAdobe Readerを入手してください。)
[ かしこい子育て ]
関福大リレーコラム・がんは慢性疾患 2018年06月16日関福大リレーコラム・高齢でなくても白内障に 2018年06月02日関福大リレーコラム・真の豊かさとは何か 2018年05月26日関福大リレーコラム・子育てにおける父親の姿勢について 2018年05月12日関福大リレーコラム・もう一人の自分から見たメタ認知によって、自分を磨きましょう 2018年04月28日関福大リレーコラム・時々の初心を忘れないように 2018年04月14日関福大リレーコラム・子育てを哲学する―(4)親になって分かったこと 2018年03月31日関福大リレーコラム・子育てを哲学する―(3)「子育て」と「倫理」 2018年03月17日関福大リレーコラム・子育てを哲学する―(2)なぜ、子どもを可愛く思えないのか 2018年03月03日関福大リレーコラム・子育てを哲学する―(1)“いのち”の恵み 2018年02月17日関福大リレーコラム・人生を生き抜くために必要な学力は、テストの成績だけではない 2017年12月16日関福大リレーコラム・才能開発の教育は家庭から 2017年11月25日関福大リレーコラム・これからは、終わりよければに向かってのマネジメント力が大切! 2017年11月03日関福大リレーコラム・「始めが肝心」「終わりよければ」どちらが正しい? 2017年10月14日関西福祉大学リレーコラム・健康は未来へのおくりもの!(3) 2017年09月16日
コメントを書く