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画業35周年 故郷で里帰り展

 2018年10月20日 
画業35周年を記念して故郷の赤穂で個展を開く後藤仁氏
 赤穂出身画家の画業35周年を記念した特別展「後藤仁 日本画・絵本原画」が御崎の赤穂市立美術工芸館・田淵記念館で10月20日(土)に開幕する。
 「アジアの美人画シリーズ」をはじめ代表作と手掛けた絵本原画、スケッチなどを展示。同日午後1時から後藤氏も出席してオープニングセレモニーがある。
 後藤仁(ごとう・じん)氏(50)=本名仁(ひとし)=は昭和43年生まれ。小1の夏にユニチカ勤務の父・軍次さんの転勤で堺市へ転居するまで坂越で育った。子どものころから絵や漫画を描くのが大好きで、大阪市立工芸高校美術科で日本画を専攻。苦学して東京藝術大学へ進み、風景画の巨匠・後藤純男氏に師事した。
 在学中に写生旅行で訪れたインドネシアで伝統舞踊を舞う女性の神秘性に強いインスピレーションを受け、「アジアの美人画」を作品テーマに確立。近年は中国やチベットなどの民話を題材にした絵本の原画制作にも力を入れ、収益の一部を国内外の被災地へ絵本を贈るプロジェクトに寄付している。
 今展ではネパールのクマリ(生き女神)を描いた「デオ・マイジュ(小さな女神)」(F12号)、ベトナムの少数民族衣装が色鮮やかな「美しき村」(F30号)など代表作25点とこれまでに手掛けた絵本原画5作品すべてに加え、千種川や丸山海岸など赤穂のスケッチ画を紹介。大学時代に国重要文化財建造物の「孫文記念館」や「旧岩崎邸」などで復元に携わった手製高級壁紙「金唐革紙」4点、からくり人形師の伯父・後藤大秀氏(岐阜県伝統文化継承功績者)が制作した人形3体と能面5点も展示する。
 後藤氏が赤穂で作品を展示するのは今回が初めて。過去に開催した個展と比べても最も充実した展示内容だという。同級生や両親の知人ら開催を楽しみにしている人も多く、「幼少期に赤穂で触れた自然や風景が私の絵画制作の原点。そのふるさとで個展を開けることは感慨深く、ぜひ一人でも多くの方に作品をご覧いただきたい」と話している。
 12月17日(月)まで午前9時〜午後5時。火曜休館(10月23日は開館)。入館料300円(小・中学生150円)。TEL42・0520。
 初日の20日は午後1時からオープニングセレモニー。御崎幼稚園児の踊りで後藤氏を歓迎し、絵本の読み聞かせ、からくり人形の実演も披露する。11月18日(日)午後1時からは後藤氏が赤穂の思い出や作品制作への思いを語るギャラリートークとサイン会を催す。
 * * *
桃井ミュージアムでも展示
 赤穂市立美術工芸館・田淵記念館の特別展に合わせ、御崎の桃井ミュージアムでも「後藤仁 日本画小品展」が10月20日(土)から12月17日(月)まで開かれる。小品9点と絵本を展示する。入館無料。午前10時〜午後4時、火曜休館。TEL56・9933。
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掲載紙面(PDF):
2018年10月20日(2297号) 1面 (6,472,966byte)
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