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農村見つめた2人「森崎伯霊・渡辺うめ」展

 2019年08月31日 
森崎伯霊の色紙作品
 農村風景を通してふるさとの自然と人とのつながりを描いた日本画家、森崎伯霊(1899―1992)と、農作業の人々をテーマとした人形作家の渡辺うめ(1907―2014)の二人展が御崎の桃井ミュージアムで9月4日(水)に開幕する。同館は「2人の作品からにじみ出る『温かみ』を感じてもらえれば」と鑑賞を呼び掛けている。
 森崎伯霊は姫路生まれで日本美術院特待。「近代忘れられがちな日本の風景や人情、特に農民の生活の中にも、人生の幸せが充分ある。この近しい美しさを掘り下げて一生描き続けたい」と、93歳で亡くなるまで絵筆を離さなかった。渡辺うめは青森市出身で太平洋戦争中に夫の故郷の但馬地方に転居。農民たちの暮らしぶりを形あるものにして残そうと、75歳から人形作りに取り組んだ。97歳で製作を終えるまで数多くの作品を仕上げた。
 同館では2013年に「渡辺うめ展」、16年には「森崎伯霊展」を開き、いずれも好評を博した。2人の作品に「土に生きた人々へのあたたかいまなざし」を感じたという桃井香子オーナーが二人展を企画。約20点ずつを展示する。
 作品テーマに共通性があり、ほぼ同じ時代を生きた2人。直接会ったことはなかったが、関係者によると、うめは生前に伯霊の作品を見て「一度会いたい」と口にしていたという。かつて伯霊に絵を教わるなど親交があった桃井オーナーは「二人の作品には、今の世の中から失われつつある人と人との結びつきや温かさがある。伯霊さんも、うめさんの人形にきっと共感したと思う」と話す。
 「森崎伯霊 渡辺うめ 二人展」(赤穂民報社など後援)は11月4日(月)まで午前10時〜午後4時。火曜休館。鑑賞料500円(小1〜中3は200円、身障者300円)。TEL56・9933。
 会期中イベントは次のとおり。表記のないものはワンドリンク・鑑賞券付き1000円(小人700円)で午後2時から。
 ▽吉田ふみゑさん(渡辺うめ研究家)と森崎大青さん(伯霊の4男)を囲んでの茶話会=9月8日(日)、9月22日(日)。
 ▽石野眞菜さん(うめの長女)・吉田ふみゑさん・森崎大青さんによるギャラリートーク=10月26日(土)。
 ▽渡辺うめ直伝!スキー人形ワークショップ=10月26日(土)午前10時、参加費1000円(材料費込み)。定員15人(小学生以上)で要予約。
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掲載紙面(PDF):
2019年8月31日号(2338号) 1面 (6,437,190byte)
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