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盤珪と藤樹「たどりついた頂上同じ」

 2019年11月23日 
講演で興福寺を訪れた中江彰氏(右)と三好信雄住職
 江戸時代前期に活躍した臨済宗の名僧、盤珪永琢(ばんけいようたく)(1622−93)が悟りを開いた北野中の興福寺(三好信雄住職)で16日、国際中江藤樹思想学会の中江彰理事長(66)が講演。信徒ら約25人が聴講した。
 中江藤樹(1608−48)は日本陽明学の祖といわれる儒学者。盤珪と直接の接点はなかったが、承応3年(1654)に門人の中川謙叔らが備前・三友寺で2か月にわたって盤珪と論争した逸話がある。
 中江氏は盤珪の思想と儒教の関わりを推論した著書『盤珪禅と儒教』があり、同寺が講師に招いた。講演で中江氏は藤樹について、「儒学一辺倒ではなく、禅や仏教、神道も含めて幅広い考え方を取り入れていたと思われる」と評価。封建社会にありながら「人間は皆兄弟である」と説いた訓話を紹介し、「当時にそのような考え方を示すのは大変なこと。もっと目を向ける必要があるのではないか」と語った。
 陽明学と仏教の思想を一体とした「明徳仏性」説を説いた藤樹に対し、盤珪は「明徳とは何か」を追求するうちに「不生禅」と呼ばれる独自の仏法を悟ったとされる。中江氏は「二人が登った道は異なるが、たどりついた頂上は同じだったのではないか」と話した。
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掲載紙面(PDF):
2019年11月23日号(2348号) 3面 (10,883,156byte)
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