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ツルハシでコツコツ 登山道を善意の修繕

 2008年12月06日 
善意で登山道を整備している松井富栄さん。早朝登山の愛好者から感謝の声
 JR播州赤穂駅北東の雄鷹台山で、風雨で傷んだ登山道を修復している男性がいる。誰から頼まれるのでなくボランティアで黙々と作業。その善行に感謝の声が寄せられている。
 市中心部にある同山は頂上まで30−40分ほどで登れる手軽さで、健康登山の人気コース。「オタカクラブ」「山楽会」の早朝登山グループをはじめ、毎日100人近くが山歩きを楽しんでいる。
 さつき町のトラック運転手、松井富栄さん(68)もその一人。15年ほど前に腰の骨を折る大ケガをし、リハビリと健康づくりを目的に、仕事のない日に同山へ登るようになった。
 同山では、まとまった雨が降ると登山道に水が集中。台風や大雨の後は決まって道が荒れ、転石に足を滑らせてけがをする人も。松井さんは「自分の体調がよくなったのは登山のおかげ。他の人にも安全に登ってもらえれば」と恩返しの気持ちも込めて3年ほど前から修繕を始めた。
 流れ出た土砂をスコップで取り除き、角材や石で階段を整備。道の脇をツルハシで掘り、雨水の流れを逃がす溝をつける。
 時間に余裕がある日に「無理せず、少しずつ」。とはいえ、傾斜のついた山での作業は平地の何倍も疲れる。「登っている人のじゃまになったら悪いから」と人通りの多い時間帯を避けるため、松井さんの行為を知る人は少ない。
 「以前は雨上がりには長靴が必要なほどだった」と振り返るのはオタカクラブ代表の小賀紀明さん(69)=加里屋=。「行政に整備を頼んでもすぐには予算がつかない昨今。本当にありがたい」と感謝する。
 松井さんは「滑りやすいところがまだ1、2カ所ある。ボチボチやりますわ」と今後もマイペースで整備を続けることにしている。
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掲載紙面(PDF):
2008年12月6日(1825号) 1面 (5,069,585byte)
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