古墳中期の鉄製甲冑片出土
2021年03月10日
みかんのへた山古墳で出土した古墳時代中期の鉄製甲冑片
発掘調査した赤穂市教育委員会によると、所有者の権威を示すためにヤマト政権から各地の有力者に配布された器物とみられる。3月18日(木)〜21日(日)午前10時〜午後3時に一般向けに発掘現場を公開する。
市教委は同古墳の保護範囲を確認する調査を2018年度から3か年計画で実施。2号墳の存在を発見するなど成果を挙げてきた。
最終年度となる今年度は昨年11月から発掘調査を行い、直径28メートル、高さ4メートルの円墳であることを特定。出土した埴輪片の特徴から築造年代は古墳時代前期末〜中期前半(4世紀末〜5世紀初頭、約1600年前)と判明した。古墳頂上の墓穴(長さ7メートル、幅3・5メートル)の上に木棺が朽ち落ちてできたと考えられる陥没があり、さらに平安時代以降の掘削によって棺の一部が破壊された痕跡も確認された。鉄製甲冑の破片は掘削跡の穴の中で見つかったことから、木棺に収められていた副葬品が掘削で壊れて破片になった可能性があるという。
市教委文化財課の山中良平学芸員によると、出土した埴輪は大阪府や奈良県の古墳に並べられたものと作り方や文様が同じだという。鉄製甲冑を入手できる地位にあったことや古墳の立地などから、「港や海上交通の管理・支配を司り、その地位をヤマト政権から認められた有力者」と被葬者の人物像を想定。「この古墳の学術的、文化財的価値はさらに高まったといえる」と話している。
発掘現場は「小島」バス停、または駐車場から登山道を含め徒歩約15分。申し込み不要、無料で見学できる。雨天中止。問い合わせは平日Tel43・6962、土日Tel43・3201。
<前の記事 |
詩とエッセイ「卆寿のひとりごと」 [ 文化・歴史 ] 2018年05月18日ナイフ一本 模様細工の美 [ 文化・歴史 ] 2018年05月12日赤穂美術協会展 18日から3日間 [ 文化・歴史 ] 2018年05月12日「赤穂の秋冬」テーマに写真展 [ 文化・歴史 ] 2018年05月11日川柳赤穂吟社 初の合同句集 [ 文化・歴史 ] 2018年05月04日勇壮豪華 民俗資料館で「五月人形展」 [ 文化・歴史 ] 2018年04月28日文字に魂 篆刻と書画の個展 [ 文化・歴史 ] 2018年04月27日7月に市民能「羽衣」 入場券の販売開始 花の美際立つ「押し花アート展」 [ 文化・歴史 ] 2018年04月25日市文化財の地獄絵を一般公開 高瀬舟船着場跡が観光スポットに [ 文化・歴史 ] 2018年04月19日姫路生まれの板画家 長谷川富三郎展 [ 文化・歴史 ] 2018年04月18日歴史コラム100本『赤穂史百話』 [ 文化・歴史 ] 2018年04月17日後継者育成へ赤穂緞通の研修工房 [ 文化・歴史 ] 2018年04月14日市児童合唱団の歌声がCDに
コメントを書く