「熊がすむ森は水源の森」保全呼び掛け
2022年04月17日
森を守る大切さについて考えた「くまもりカフェin赤穂」
熊をシンボルに奥山水源の森の保全・再生や大型野生動物の保護にボランティアで取り組む実践自然保護団体「日本熊森協会」(本部・兵庫県西宮市)が主催。室谷悠子会長が「日本の森で起こっていること」と題して講演した。
室谷氏は、戦後に国内全土で進められた造林政策によって600万ヘクタールを超える原生林が失われた結果、多種多様な木の実や果物、昆虫を食べて生息するツキノワグマが激減したと指摘。さらに森の保水力が低下したことで土砂崩れのリスクが高まっている問題点を挙げた。
「農業や林業だけでなく、漁業や工業など、あらゆる産業を支える水を自給できなければ日本は衰退してしまう」と警鐘を鳴らし、「クマの棲む森を守ることが生態系そのものを守ることになり、水源となる森を守ることになる」と保全の重要性を訴えた。
同協会が宍粟市内で実施している人工林を自然林に戻すための植樹活動では15年ほどで森が育ち始めているといい、「林業は採算のとれる条件の良い場所で行い、尾根や急斜面などは自然林に戻す」とすみわけを提案。また、各地で風力発電や産業廃棄物処分場の建設によって貴重な森が伐採される恐れがあることに触れ、「経済のためなら豊かな自然を犠牲にしても構わない、手続きさえ踏めば環境破壊できる前提の社会になっている」と法制度を含めた方向転換を呼び掛けた。
室谷氏はメガソーラー計画が住民運動によって中止、縮小された実例を挙げ、「地域が止めるために本気で動き、規制する条例を自治体がつくったときに計画が止まっている」と話し、「住民一人一人が意見を出すことが重要。それによって地元議会や首長が動く」と語った。
くまもりカフェが開催されたのは丹波篠山、西宮、明石に続いて4か所目。約20人が参加した。産廃処分場建設への反対運動を行っている「西はりまの自然をまもる会」の小河尚子会長、県立明石公園の樹木伐採にストップをかけた「明石公園の自然を次世代につなぐ会」の奥津晶彦さんらの活動発表もあった。
<前の記事 |
掲載紙面(PDF):
2022年4月29日号(2460号) 3面 (10,585,646byte)
(PDFファイルを閲覧するにはこちらからAdobe Readerを入手してください。)
[ 社会 ]
行政情報発信にLINE活用 [ 社会 ] 2019年10月21日台風19号 災害義援金箱を設置 [ 社会 ] 2019年10月21日「魅力伝えたい」第35代赤穂義士娘が決定 [ 社会 ] 2019年10月19日古民家再生に最大666万円補助 [ 社会 ] 2019年10月19日3警察署合同で緊急配備訓練 [ 社会 ] 2019年10月09日長岡氏の議長就任祝賀会に350人 [ 社会 ] 2019年10月05日紙ごみ分別収集 赤穂地区で試験 [ 社会 ] 2019年10月05日《市公共工事贈収賄》土木係長を分限処分 自治会連合会が市議会定数削減を要望 90歳になっても活躍 高齢者特別賞に2人 [ 社会 ] 2019年10月04日「産廃反対」市議会が街頭活動 [ 社会 ] 2019年10月03日《西有年産廃》森林法違反 赤穂市も刑事告発 圏域バス未利用者「便利なら乗る」7割 [ 社会 ] 2019年09月28日起訴猶予処分の教諭に停職6か月 人身事故 朝夕に集中傾向 [ 社会 ] 2019年09月24日
コメントを書く