忠臣蔵のふるさと・播州赤穂の地域紙「赤穂民報」のニュースサイト
文字の大きさ

赤穂民報


  1. トップページ
  2. かしこい子育て
  3. 記事詳細

関福大リレーコラム・子育ての手段に『論語』

 2022年08月06日 
 日本経済の父と呼ばれた渋沢栄一が、令和6年に新一万円札の肖像となります。


 渋沢は、幕末から明治大正時代に約500の企業の設立、約600の社会公共事業に関わり、近代日本の発展に貢献しました。昨年のNHK大河ドラマ「青天を衝け」が放送されご存じの方もおられるでしょう。

 渋沢の幼い頃からの愛読書が『論語』です。後年、異質なものを取り合わせた道徳と経済の合一説を説いた「論語と算盤」を著しました。論語は、約2500年前の古代中国の書物で、孔子と弟子たちの言行録です。日本に伝わったのは西暦285年頃。現在に至るロングセラーとなっています。

 論語は、人としての学びや徳などがまとめられたものです。日本人で初めてノーベル賞を受賞した湯川秀樹博士の学問の素地も幼い頃より親しんだ論語でした。掛け算の九九を暗唱するように、論語の文字をそのまま声に出して読む素読により、学びの基礎となり教養や知識が身に付きます。現在、大リーグで活躍する大谷翔平選手は、「論語と算盤」を読み、投手と打者の異なる二刀流を実現させています。

 論語は、実にシンプルで人にとても大切な「仁(思いやり)」を教えています。子育てのバイブルにもなり、幼い頃より触れることで、その学びは心の奥底に蓄積します。東洋古典研究の加地伸行氏は、「人間をありのままに見とおし、そうした人間にとっての幸福とは何かという視点に基づいて道徳を論じ、そうありたいことを主張しているのが論語だ」と説かれています。

 江戸時代に、寺子屋で「論語」を学んだ子供たちは、常識や道徳心を養ってきました。そのDNAが今を生きる私たちに受け継がれたのが、東日本大震災の時でした。被災した人が避難所で沈着冷静に行動している姿が世界中に発信され賞賛の声が集まったことは記憶に新しいです。

 論語は人としての行動規範として「仁」の心が育まれているのではないでしょうか。子育ての一つの手段として、「論語」を活用されてはいかがでしょうか。(尼子尚公・教職センター教授)

<前の記事


掲載紙面(PDF):
2022年8月6日号(2472号) 3面 (11,565,029byte)
 (PDFファイルを閲覧するにはこちらからAdobe Readerを入手してください。)


コメントを書く

お名前 (必須。ペンネーム可):

メールアドレス (任意入力 表示されません):

内容 (必須入力):

※コメントは投稿内容を赤穂民報社において確認の上、表示します。
投稿ルールを遵守できる方のみご投稿ください。
今週のイベント・催し
23
(月)
 
24
(火)
25
(水)
26
(木)
27
(金)
 
28
(土)
 
29
(日)

最新のコメント

  • 対立候補「支持」の牟礼正稔・赤穂市長「信念に基づいて行動」「選挙終わればノーサイド」←赤穂も改革しよう!(11/22)
  • 齋藤県政2期目 長岡県議「是々非々で対応」←市民2(11/22)
  • 【社説】投票3日前の異例の支持表明 牟礼市長は市民に説明を←赤穂を大事にする会(11/22)

各種お申込み

以下より各お申込み、資料請求フォームにリンクしています。ご活用下さい。

スマホサイトQRコード

スマホ用URLをメールでお知らせ!
e-mail(半角入力)


ドメイン指定受信をされている方は「@ako-minpo.jp」を指定してください。

閉じる
中村唯心堂 中道工務店 矢野防水工業 赤穂メモリアルホール 野中砂子土地区画整理組合 花岳寺 兵庫県警
閉じる
中村唯心堂 中道工務店 矢野防水工業 赤穂メモリアルホール 野中砂子土地区画整理組合 花岳寺 兵庫県警