逸話でひもとく史実の元禄赤穂事件
2022年09月04日
元禄赤穂事件にまつわる逸話を紹介する歴史研究講座「忠臣蔵よもやまばなし」が3日、中広の赤穂化成ハーモニーホールであり、赤穂市教育委員会文化財課の小野真一・市史編さん担当課長が講演。約150人が聴講した。
小野氏は『赤穂市史』の続編として刊行した『忠臣蔵』の編さんに長年関わってきた。同事件の関連資料や古文書を数多く調査研究した経歴を持つ。
講座では、映画やドラマで雪が降る場面として描かれることが多い吉良邸討ち入り当夜の天候が実際は「月明かりがこうこうと照らす快晴」だったことや、浪士たちが同志を誓った血判状は巻物ではなく起請文だったことなど史実を紹介。四十七士の一人、大高源五が討ち入り前に母に宛てた手紙(正福寺蔵)を基に、武士としての「忠」と肉親への「孝」の間で揺れ動く心情などを解説した。
また、浅野内匠頭が詠んだとされる辞世の句が、切腹の副検使を務めた多門伝八郎の『覚書』にしか登場せず、他の記録には一切見られないことを指摘。一方、切腹の場をしつらえた一関藩田村家の記録には、内匠頭の口上(このことはかねてから知らせておくべきであったが、今日やむを得ない事情があったので知らせることができなかった。不審に思うことであろう)を番人が書き留めて浅野大学の家来に渡した、との記載があり、「多門の『覚書』は事件当事者の記録として貴重な史料だが、内匠頭の辞世は創作ではないかと言われている。番人が書き留めた伝言の方が真実に近いのでは」と語った。
史実に基づき元禄赤穂事件の逸話を語る小野真一・市史編さん担当課長
小野氏は『赤穂市史』の続編として刊行した『忠臣蔵』の編さんに長年関わってきた。同事件の関連資料や古文書を数多く調査研究した経歴を持つ。
講座では、映画やドラマで雪が降る場面として描かれることが多い吉良邸討ち入り当夜の天候が実際は「月明かりがこうこうと照らす快晴」だったことや、浪士たちが同志を誓った血判状は巻物ではなく起請文だったことなど史実を紹介。四十七士の一人、大高源五が討ち入り前に母に宛てた手紙(正福寺蔵)を基に、武士としての「忠」と肉親への「孝」の間で揺れ動く心情などを解説した。
また、浅野内匠頭が詠んだとされる辞世の句が、切腹の副検使を務めた多門伝八郎の『覚書』にしか登場せず、他の記録には一切見られないことを指摘。一方、切腹の場をしつらえた一関藩田村家の記録には、内匠頭の口上(このことはかねてから知らせておくべきであったが、今日やむを得ない事情があったので知らせることができなかった。不審に思うことであろう)を番人が書き留めて浅野大学の家来に渡した、との記載があり、「多門の『覚書』は事件当事者の記録として貴重な史料だが、内匠頭の辞世は創作ではないかと言われている。番人が書き留めた伝言の方が真実に近いのでは」と語った。
<前の記事 |
[ 文化・歴史 ]
合同ステージで響き合うブラスの魅力 還暦超えの3人が合同で「アラ還」展 [ 文化・歴史 ] 2014年09月27日最優秀賞は「うちわ付き散歩マップ」 お年寄りと子どもたちの合同展 [ 文化・歴史 ] 2014年09月17日伝承盛り上がる上仮屋の獅子舞 柳原白蓮の自筆書軸も「備前を訪れた人々」展 [ 文化・歴史 ] 2014年09月12日ハーモニカの西日本大会で1・2位 [ 文化・歴史 ] 2014年09月09日丹精込めた力作、能面二人展 [ 文化・歴史 ] 2014年09月08日市民病院ロビーで押し花作品展 [ 文化・歴史 ] 2014年09月07日筋書き知れば能楽の魅力ますます 京丹後の旧家に「坂越の船祭」絵巻 [ 文化・歴史 ] 2014年09月06日地域資料を電子化公開、絶版図書も 絵マップコン10周年で記念誌 透明感ある多彩な繊維造形、寺村サチコ展 [ 文化・歴史 ] 2014年08月29日「坂越の船祭」魅力を再発見 [ 文化・歴史 ] 2014年08月29日
コメントを書く