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住民の手で守る義士絵馬

 2009年06月27日 
旧赤穂郡内で最古の義士絵馬が掛けられている有年牟礼の黒尾須賀神社
 旧赤穂郡内で最古とされる市文化財の義士絵馬を守ろうと、有年牟礼の黒尾地区住民が保全活動に取り組んでいる。絵馬製作から今年で160周年。「節目の年をきっかけに先人たちが残してくれた地域の宝を末永く伝承していきたい」と話している。
 黒尾須賀神社の義士絵馬は奉納額の記載などから江戸後期の嘉永2年(1849)に当時の地域住民らが納めたもの。京狩野派の絵師、菅原永得の作といわれている。
 長年の風雨で劣化が進み、いつのころからか吉田忠左衛門の絵馬が欠落。あだ討ち前に亡くなった矢頭長助、萱野三平、橋本久蔵の3人と奉納額を合わせて50面が現存している。
 市教委によると、旧赤穂郡内で所在が確認されている義士絵馬24件中、黒尾須賀神社の絵馬が最古。平成8年3月に市有形文化財指定を受けたのを機に、地区住民らが自主的な保存活動に努めてきた。
 今年9月で絵馬製作160周年を迎えることから昨秋、地区会長だった柏木正光さん(71)ら有志がさらなる整備を発案。なるべく費用をかけないように材料を持ち寄って絵馬堂の腰板などを自前で補修し、絵馬に描かれた義士名、享年などを1面ずつ木札で表示した。
 住民の一人で市文化財保護連絡員の立花良和さん(74)は「私たちにとっては、いかなる名画も及ばない、貴い文化遺産です」と絵馬への誇りを持っている。
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掲載紙面(PDF):
2009年6月27日(1853号) 1面 (8,411,129byte)
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