60年ぶり船だんじり 児童らが背景画復元
2009年09月09日
船だんじりの背景画を描く児童たち。奥に見えるのが60年前に使われていた背景画
坂越地区では、かつて宮の年忌行事になると複数の町が船だんじりを海に浮かべ、その舞台で芝居や漫才を上演した。市教委によると、最も古い記録では享保11年(1726)の古文書に「船壇尻一組」との記述がある。
だんじりを乗せる網船が姿を消すなどで昭和23年を最後に廃れたが、今年4月に市教委の文化財調査で唯一現存する本町自治会のだんじりを蔵から搬出。建築士らでつくる「赤穂まちづくり研究会」(山本建志代表)が仮組み立てし、部材のほかに舞台装飾に使われた天幕やふすま絵などの備品もいっしょに見つかった。
「地元の伝統行事を復活し、保存継承しよう」との気運が地域で高まり、7月には自治会などが「坂越船壇尻保存会」(佐方直陽代表)を設立。10月の秋祭りでの復活上演を決定し、「地元の子どもたちにも復元に参加してもらおう」と、児童らに背景画の塗装が任された。
研究会メンバーが描いた下書きに沿って児童らが水彩絵の具で着色。作業場所の体育館に持ち込まれた実物を見ながら、慎重に描き進めた。約3時間かけて花鳥図の額絵や赤いタイを描いた壁板絵など5組を完成させ、自分が関わった作品の裏面に一人一人サインした。
日本画調のボタンを描いた前田はるかさん(11)は「できるだけ元の絵と同じになるように」と線の太さに気を配った。祭り当日は子ども獅子舞の一員として舞台に上がる予定で、「自分たちが描いた絵の前で舞うのが楽しみ」と笑顔で話していた。
<前の記事 |
掲載紙面(PDF):
2009年9月12日(1863号) 4面 (7,783,497byte)
(PDFファイルを閲覧するにはこちらからAdobe Readerを入手してください。)
討ち入りへの経緯克明 義士自筆の覚書 [ 文化・歴史 ] 2020年10月31日創作人形で「懐かしい昭和」渡部美智子展 [ 文化・歴史 ] 2020年10月30日2020年度文化・スポーツ賞 受賞者決定 赤穂中の修学旅行代替案 日帰りでUSJへ [ 子供 ] 2020年10月28日「トライやる」で海岸清掃奉仕 能楽の祖ゆかりの大避神社で奉納上演 [ 文化・歴史 ] 2020年10月27日日展 書の部門で赤穂から2人入選 [ 文化・歴史 ] 2020年10月27日絵葉書で回顧 明治〜戦前の赤穂 [ 文化・歴史 ] 2020年10月26日クイズと講話で地元の歴史に興味 大正初期の八幡宮祭礼 絵葉書が現存 [ 文化・歴史 ] 2020年10月24日濃厚接触者確認され修学旅行を中止 12日から「明るい選挙ポスター」展 旧東洋紡赤穂工場の写真を冊子に [ 文化・歴史 ] 2020年10月10日幼稚園3歳児保育の定員倍増 「日本一小さな博物館」が70周年 [ 文化・歴史 ] 2020年10月08日
コメントを書く