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日本画家・室井澄氏「画業七十年のあゆみ」展

 2010年03月13日 
画業70年の節目に個展を開く室井澄氏=鳥取・大山で
 卒寿を迎えた新田の日本画家、室井澄氏(90)=本名・仁三=が「画業七十年のあゆみ展」を3月18日(木)から中広の赤穂市文化会館(ハーモニーホール)で開く。永年モチーフに描く大山、ボタン、びわ湖を中心に約80点。38回目の開催となる個展で過去最多の出品数で、同氏の主要作を一堂に見ることができる。
 室井氏は大正9年、代々狩野派の絵をたしなむ庄屋家の三男に生まれた。昭和12年に17歳で仏画の石川晴彦に入門。その後は花鳥画の立脇泰山、美人画の寺島紫明に師事した。
 21歳から終戦まで気象隊員として兵役。上官たちの計らいで画材の携行を許され、派遣された満州や台湾でも絵筆を握ることができた。戦後は一層創作活動に打ち込み、創彩展内閣総理大臣賞など入賞歴多数。53歳で画塾「雨聲会」を主宰し、市民向け水墨画教室も開くなど後進の育成にも努めてきた。平成17年には地域文化向上に尽くした人を称える「ともしびの賞」を兵庫県から贈られた。
 「自身の集大成」として今回の個展を位置付けるが、「どの作品も処女作を描くような気持ちで描いてきた。それはこれからも変わらない」と創作意欲はなお盛ん。スケッチ旅行に常に同行する7つ年下の妻・冨美子さんとの二人三脚で今後も新作を生み出すつもりだ。
 1階展示室で22日(月・祝)まで午前10時〜午後5時。個展開催を記念した画集(B5変形、47点収録)は会場で希望者に1部5000円で頒布。戦時中に室井氏と同じ隊に属し、「同じ釜の飯を食った」映画監督の鈴木清順氏が序文を寄せている。
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掲載紙面(PDF):
2010年3月13日(1887号) 1面 (9,614,496byte)
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