能楽史上初の忠臣蔵上演へ
2012年01月01日
江崎家に代々伝わる謡本「大石」と江崎金治郎さん
新作能の基になったのは、大正12年(1923)に作られた同名の謡曲だ。義士100回忌に花岳寺へ奉納された謡の原稿に大阪の能楽師、中村知微が節付け。姫路で江戸時代から続く福王流ワキ方の名家・江崎家に代々伝えられてきた。
11世・江崎金治郎さん(67)=重要無形文化財総合指定保持者=は平成17年から隔年で催されている「赤穂大石神社薪能」に初回から出演。赤穂観光大使にも就任し、「鎮座満百年に合わせて義士ゆかりの演目を」と新作能の制作に取りかかった。
花岳寺の住僧が泉岳寺参詣の途中に京都・山科へ立ち寄ったところ、大石内蔵助の霊が現れ、刃傷事件から討ち入りまでの顛末を語る−との筋書き。江崎さんの肝いりで所作を付けた観世流シテ方能楽師、大西礼久さんは実際に赤穂を訪ね、創作イメージをふくらませたという。
「主君を思う義士の切なる心情と武勇を余すことなく描き出したい」と江崎さん。飯尾義明宮司(62)は「ご鎮座満百年・義士討ち入り満三百十年にふさわしい演目。多くのみなさまに観ていただきたい」と期待を込めている。
薪能公演は9月23日(日)に決定。内蔵助役を大西さん、花岳寺住僧役を江崎さんがそれぞれ務める。また、狂言師の野村萬斎さんも来穂し、「成上り」を演じる。鑑賞券(価格未定)は初夏発売予定。問合せは同神社TEL42・2054。
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2012年1月1日(1974号) 1面 (9,241,071byte)
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