日常の困り事 近所で支え合い
2012年07月14日
「パートナーサロン」の運営について話し合う塩屋東地区のみなさん
同地区(601世帯)は今年1月から住民有志約20人が月1回の会合を開催。地域の課題を地図上に落とし込む「福祉マップ」を作成し、高齢者と一人暮らし住民が予想以上に多いことを知った。それまで漠然としか感じていなかった「助け合いの必要性」を、その場にいた誰もが痛感したという。
仕組みを作る上でモデルにしたのが、平成14年から長野県駒ヶ根市で行われている住民参加型生活支援サービス「こまちゃん宅福便」。有料の登録制で、会員になれば身の回りの世話や話し相手などを1時間800円で別の会員に頼むことができる。同市社会福祉協議会によると、会員数は約800人で利用件数は月500〜600件。社協に報告がないものを含めると、「毎月800〜1000件ぐらいの利用がある」という。
塩屋東地区では今年3月、自治会をベースに「塩屋東パートナーサロン」を創設。7月10日までに45人が会員登録した。各自が自分に出来るサービスを自己申告。メニュー表には、▽外出介助▽手紙の代筆・代読▽留守番▽パソコンの使い方支援−など、かゆいところに手の届く内容が並んでいる。登録料は500円(保険代含む)、利用料は1時間当たり500円程度と取り決めた。車のガソリン代など実費がかかった場合は別途精算する。
パートナーサロン立ち上げをサポートした赤穂市社協の岩崎文子さんは「一定のルールがあることで気兼ねなく依頼でき、頼まれた側も持ち出し負担がなくなる。かえって支援が活発になりやすい」とメリットを話す。金銭の授受が発生することに抵抗を感じる人もあるが、「双方の合意で500円よりも低い金額や無償でも可。選択肢が増えたと考えてもらえれば」。同様の取り組みは上仮屋、寺三などでも準備が進んでいるという。
「お世話したり、されたり、『持ちつ持たれつ』の関係を少しずつ広げていきたい」と代表の福田順之さん(71)。岩崎さんは「横のつながりは災害時にも役立つはず。末永く在宅で暮らせる地域づくりを目指して」と応援している。
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掲載紙面(PDF):
2012年7月14日(1998号) 1面 (7,582,117byte)
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