赤穂市内の中高生らが加害者となった集団暴力事件を受けて赤穂市教委が設置した第三者委員会の初会合が２日、加里屋の赤穂市役所第２庁舎で開かれた。委員長に就任した、学校組織マネジメントに詳しい浅野良一・兵庫教育大学大学院教授（５６）は「批判的なパートナーとして、言いにくいところも厳しく提言したい」と委員会の運営方針を述べた。
　委員会の冒頭、室井久和教育長は「関係の皆様に多大のご心配をおかけし、教育行政を預かる責任者として本当に申し訳なく思っているところ」とおわび。「先生方それぞれの立場から率直なご意見をいただきたい」とあいさつし、委員一人一人に委嘱状を手渡した。
　メンバーは弁護士、スクールカウンセラーら５人。委員の互選で選ばれた浅野委員長は「いじめ問題の処理にとどまらず、学校の改革、体質改善についても議論したい。提言だけでなく、対策がきちんと実施されているかどうかもチェックする。『災い転じて福となす』との意気込みでやっていく」と語った。
　この日は今後の委員会日程を話し合ったほか、事件の概要について事務局が説明。浅野委員長によると、翌日から新学期が始まることを念頭に、「事件に関与した児童や生徒の受け入れについて具体的な提言を行った」という。
　当面は月１回のペースで委員会を開き、今回の事件処理に着目した第一次提言を１０月に行う。今年度末の中間報告を経て、来年８月を目途に教育委員会、社会教育、家庭教育のあり方まで含めた最終提言をまとめる。
　委員会は個人情報を含む議論を行うこともあり、原則非公開。議事要旨を市教委ホームページで後日公表する。

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掲載紙面（PDF）：
2012年9月15日(2005号) 1面 (14,877,312byte)
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