シベリア抑留経験を手記に
2013年08月14日
シベリア抑留経験を手記にまとめた清原圭爾さん
朝鮮半島の咸興で終戦を迎えた清原さんはソ連軍に拘束され、昭和23年5月までナホトカの西にあったザラトイ収容所で捕虜生活を送った。
手記の題名は「軍隊歴とシベリア抑留行状」で、B5判ノート45ページ分。「これが人間の食べるものかと疑うほど」の劣悪な食事しか与えられず、零下30度近い極寒の中を樹木の伐採作業を強制された日々を克明につづった。
飢えと過酷な労働に耐えきれず衰弱死した者、脱走して銃殺された者。シベリアの凍土は地表よりも深く掘ることができず、遺体に雪をかぶせるだけの埋葬だった。清原さんも栄養失調に陥ったが、幸いにも持ち直し、命を取り留めたという。
清原さんは帰還後に結婚し、2男1女の下に孫とひ孫が合計16人。これまで積極的に戦争体験を話したことはなかったが、妻正子さん(84)に勧められてペンを取った。手記をまとめたのは戦争を知らない世代へ語り継ぐためでもある。
「自分は生きて帰れたが、祖国の土を再び踏むことなく死んでいった人たちのことを思うと胸が詰まる」と清原さん。「戦争は負けたら悲惨。勝っても幸せにはなれない。二度と戦争の起きない世の中であってほしい」と願っている。
<前の記事 |
掲載紙面(PDF):
2013年8月24日(2050号) 3面 (9,504,988byte)
(PDFファイルを閲覧するにはこちらからAdobe Readerを入手してください。)
「一路白頭に至る」新学長・安井秀作氏 [ 社会 ] 2010年11月20日意外とさっぱり味、タンザニア料理 [ 社会 ] 2010年11月16日赤穂浅野家ゆかりの社寺で献奏 [ 社会 ] 2010年11月14日現役医師が書いた“入院指南書” [ 社会 ] 2010年11月13日優秀教職員表彰、赤穂から2人 [ 社会 ] 2010年11月10日消防団ポンプ車、第3次配備始まる [ 社会 ] 2010年11月09日周世ふれあい市場に「コラボ大賞」 [ 社会 ] 2010年11月08日学生主体で赤穂産野菜を販売、宅配 市民会館の石綿除去はイーコン工法 [ 社会 ] 2010年11月03日上郡町長選、現職が無投票再選 [ 社会 ] 2010年11月02日坂越の濱嵜さんに藍綬褒章 [ 社会 ] 2010年11月02日第26代赤穂義士娘が決定 [ 社会 ] 2010年10月31日市制60周年フレーズの考案者を表彰 [ 社会 ] 2010年10月30日製菓コンテストで2年連続銀賞 [ 社会 ] 2010年10月29日台風に備えて土のうを準備 [ 社会 ] 2010年10月28日
コメントを書く