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平和祈るタペストリー出品

 2013年09月07日 
ウクライナで開かれる国際平和美術展へ出品するタペストリー
 世界平和を願うアーティストの祭典としてウクライナの首都・キエフで開催される「第21回国際平和美術展」(9月25〜28日、外務省など後援)に中広のキルト作家、木山春代さん(66)が初出品することが決まった。
 4日には大阪市北区の「阪急うめだ本店」で2冊目の著書の出版記念作品展が開幕。木山さんは「愛着を込めた私の作品を多くの方に見ていただけることは幸せ」と喜んでいる。
 同美術展は「平和を愛する心」「芸術を愛する心」をより多くの人々にアピールすることを目的に平成5年から毎年開催。大半の年で国内展と海外展の2会場で実施している。今年は6月の東京に続き、昨年に日本と外交関係樹立20周年を迎えたウクライナが開催地に選ばれた。
 パッチワーク歴約30年の木山さんはキルト作家の第一人者、秦泉寺由子さんに師事。平成16年ごろ、二枚の布を重ね縫いして上の布を切り抜くリバースアップリケにステッチを組み合わせた「モラアップリケ」を考案。さらに、「まるで本物のレースを貼り付けたような高級感」が特長の「レース模様のモラ」に進化させた。基本的な裁縫技術しか使わず、手芸経験者が「どうやって作ったの」と驚く作品。専門誌が取り上げ、一躍注目を集めた。
 現在は自宅のアトリエ以外に梅田、守口のNHK文化センターなど文化教室3カ所で講師を務めるほか、富裕層に愛好者が拡大している韓国、台湾など海外からも講習会に招かれる。4年前に初めて上梓した著書はフランスの出版社が翻訳。先月には流行のバテンレースをデザインに取り入れた新作を収録した『レース模様と花を描くモラアップリケのキルト』(パッチワーク通信社)を刊行した。
 国際平和美術展には画家、書道家など約160人が参加する。木山さんはベージュとグレーの先染布にレース模様の刺しゅうを施したタペストリー(約70センチ角)を出品。伝統的なヨーロピアン・アンティーク調の意匠に「芸術は平和な歴史の積み重ねの上に育まれる」との思いを込めた。9日(月)まで開催の出版記念作品展を見届け、スケジュールが整えばウクライナへも渡航する予定だ。
 もともとは我が子らの服やベッドカバーを手作りするために針と糸を持った木山さん。これまでに考案した手芸キットの数は少なくとも800点を超え、刺しゅう糸のメーカーが木山さんのアイデアを採用するなど手芸の普及にも大きく貢献している。「師匠に恵まれ、家族や周囲に支えてもらったおかげ。これからも自分が作りたいと思う作品を手掛けていきたい」と話している。
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掲載紙面(PDF):
2013年9月7日(2052号) 1面 (10,590,750byte)
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