みなと銀行の窓口係が“振り込め詐欺”を阻止
2008年07月11日
的確な対応で“振り込め詐欺”を防いだ田中幸典次長と三谷早苗さん
「息子に200万円を振り込みたい」
先月25日午前11時半ごろ、親族2人に付き添われてカウンターに現れた赤穂市内の女性(74)はこう言いながら持ってきたかばんに手を伸ばした。取り出そうとした封筒には、当日朝に貯金を解約してきたばかりの現金が入っていた。
応対したのは窓口スタッフの三谷早苗さん(47)。さくら銀行時代から勤務するベテランで、「電話番号が変わったと息子から電話があってね」と話した女性の言葉を聞き逃さなかった。
振込先は開設が容易なインターネットバンクの個人口座。「振り込め詐欺かもしれない」と直感し、三谷さんから相談を受けた上司の田中幸典次長(46)が女性らを応接室に案内した。
女性が田中次長に話した内容によると、“息子”から最初に電話があったのは6月中旬。「電話番号が変わった」と連絡してきた。その翌日か翌々日に「言うに言われない借金ができたので、誰にも言わずに助けてほしい」と2度目の電話。その後も何度か催促の電話があり、振り込み方を知らない女性が「取りに来てくれないの」と尋ねると、「忙しくて行けない。早く振り込んで」と突き放されたという。
田中次長の勧めで女性が応接室から“息子”に電話をかけ、生年月日を尋ねたところ、受話器の向こうの男は「疑うのか」などと声を荒げるのみで結局答えることができなかった。
女性は「早く振り込まないと息子がかわいそう」と焦ったが、「警察に相談してからでも遅くないから」と田中次長になだめられて赤穂署へ。署員が息子の職場に電話をかけて確認し、詐欺が確定した。
何気ない女性の一言から詐欺を見破り、被害を未然に防いだ三谷さんは「おばあちゃんの大切なお金を取られずに済んでほっとしました」とにっこり。普段から個人名義間の送金については「お振込先はよくご存知の方ですか」と声がけを実践しているという。
田中次長は「今後もお客様の大切な財産を損なうことのないように丁寧な対応を心がけたい」とさらに気持ちを引き締めていた。
同署によると、6月下旬以降、振り込め詐欺についての相談が急増。幸い、被害に至ったケースはないものの、「あわてて振り込まず、事実かどうか必ず確認してほしい。確認が取れないときは警察に相談して」と注意を呼びかけている。
<前の記事 |
関連サイト:
【関連記事】“振り込め詐欺”多発 尾崎の女性が100万円被害(7月10日)
掲載紙面(PDF):
2008年7月12日(1803号) 1面 (7,960,544byte)
(PDFファイルを閲覧するにはこちらからAdobe Readerを入手してください。)
山火事、容疑者本人から「お詫び状」 [ 事件・事故 ] 2014年05月24日アートマイルがユネスコ奨励事業に 自動車税の納付は6月2日までに [ 社会 ] 2014年05月23日「勇気持って暴排機運高めよう」 [ 社会 ] 2014年05月22日ごみ焼却炉改修、通常運転再開へ [ 社会 ] 2014年05月21日3年ぶり海開きへ水質調査 [ 社会 ] 2014年05月20日無免許で人身事故、広島の会社員逮捕 [ 事件・事故 ] 2014年05月18日取材で振り返る木津の山火事 [ 事件・事故 ] 2014年05月17日電線資材盗んだ男を現行犯逮捕 [ 事件・事故 ] 2014年05月16日津波避難マップの赤穂市版 [ 社会 ] 2014年05月15日矢野氏が正式に立候補表明 [ 社会 ] 2014年05月14日水害防止の有年ポンプ場が竣工 [ 社会 ] 2014年05月14日木津の山火事、ようやく鎮火 [ 事件・事故 ] 2014年05月12日木津の山火事、炭火捨てた男逮捕 [ 事件・事故 ] 2014年05月12日70ヘクタールを焼いて火勢鎮圧 [ 事件・事故 ] 2014年05月12日
コメント
田中幸典次長と三谷早苗さんの今回の応対に拍手喝采を送りたいと思います。
0 0
投稿:しもやん 2008年07月11日コメントを書く