産業廃棄物最終処分場の設置計画についての住民説明会が１９日と２０日にあり、事業者による概要説明と質疑応答が行われた。
　説明会は事業者の「兵庫奥栄建設」が県条例に基づき主催。１９日は赤穂西公民館、２０日は福浦コミュニティセンターで開かれ、それぞれ地域住民を中心に約５０人が参加した。
　冒頭に親会社から出席した「奥村組土木興業」の津田悦男専務が「ルールは１００％遵守し、緑の山に復元したい」とあいさつ。「兵庫奥栄建設」環境エンジニアリング部の吉田宗久・執行役員が持ち込む廃棄物の種類や浸出水処理設備などの概要を説明した。生活環境影響調査の結果については、調査を受託した「公益財団法人ひょうご環境創造協会」の担当者が話した。
　「契約前に必ず現物確認をして、一定の基準以下のものしか持ち込まない」「（埋立地には）高密度ポリエチレンを二重にした遮水シートを敷く」などと事業の安全性を強調した事業者側の説明に対し、参加者からは▽なぜ廃棄物で埋めなければならないのか。土で埋め戻してほしい▽遮水シートの耐用年数が過ぎた後はどうなるのか▽埋め立てが終わった後はどのように管理するのか−などと質問が出た。
　吉田氏は、▽埋め戻しや緑化はボランティアではできない▽遮水シートの耐用年数は７０年以上。使い始めて４０年ほどになるが、問題は出ていない。漏水したら検知システムで検知して修理する▽埋め立て終了後も、処理水が安定するまでは維持管理を続ける−などと回答した。
　説明会について同社は当初、「鷆和・福浦地区の住民に限定」とのスタンスを取っていたが、他地区住民と報道についても「質問不可」の条件付きながら入場を認めた。御崎の男性が「風光明媚な場所になぜ産廃を持ってくるのか。けしからん。これまで採石で儲けてこられたのだから、原状回復して地元へ返せ」と発言したが、途中で遮られた。
　関係者の談話は次のとおり。
　▽福浦新田自治会・中本政幸会長＝「ちゃんと管理された施設ということなら一安心。私一人ではなく、自治会役員で話し合って結論を出したい」（１０月２０日）
　▽鷏和自治会・藤本紀彦会長＝「えらいことになったと感じている」（１０月２１日）
　▽西部地区自治会連合会・住所知之会長＝「設備そのものは近代的だろうが、故障、ゲリラ豪雨など心配は心配。説明会を受けて地元の皆さんがどういう反応をするのか、推移を見守りたい」（１０月２２日）
　▽豆田正明市長＝「現時点では、コメントを差し控えさせていただきます」（１０月２３日）
　▽大河優・赤穂市漁協組合長＝「漁協としては昨年の理事会で承認した。計画が決定すれば、正式な協定を結ぶ」（１０月１６日）
　▽天倉辰己・日生町漁協専務理事＝「基本的には同意できない。今まで説明がなかったことについても不信に感じている」（１０月２４日）

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掲載紙面（PDF）：
2013年10月26日(2059号) 1面 (8,265,367byte)
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