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唐船ぬかるみ対策、完了まで「複数年」

 2014年03月18日 
 軟弱化した砂浜の一部を浚せつ、覆砂する暫定対策によって2年ぶりに海水浴場の開設が今夏予定されている御崎・唐船海岸について、有識者らでつくる兵庫県の対策検討委員会は18日、残りの範囲についても同様の工法で対策を進めるとする提言をまとめた。地元関係者との調整が必要なため、着工は平成27年度になる見通し。県は「できれば2〜3年のうちに完了したい」と話している。
 現地の地形や潮流などを調査した検討委は、千種川から運ばれた粒の細かい土砂が突堤の周囲や干潟に堆積して軟弱化が起きたと分析。シミュレーションの結果、突堤など構造物を改良または撤去するよりも、昨年9月から11月にかけて行った暫定対策と同様にぬかるみの浚せつと覆砂のみを行う場合が「最も効果的である」と検証した。
 対策工の範囲は唐船山の東西計約0・85ヘクタール。およそ2700立方メートルのぬかるみを吸引し、約8600立方メートルの覆砂を投入する。検討委は、すべての範囲で対策工が完成まで「複数年を要する」と想定している。
 検討委は対策工事が完了した後の維持管理手法についても提言。海水浴場のエリア約6・6ヘクタールを「詳細監視範囲」とし、月1回の定点写真撮影、年3回のぬかるみ分布調査を5年間行う。異常を確認すれば詳細調査を実施し、ぬかるみの厚さが5センチ(唐船山西側、突堤周辺は10センチ)以上あった場合、覆砂や敷きならしなどの対策を講じる。
 同海岸は県の定期点検でぬかるみが確認された平成24年4月から閉鎖。同年9月に検討委が設置され、計5回の会合で原因究明と対策について協議してきた。青木伸一委員長(大阪大学大学院教授)は「結果を急がず、時間をかけて調査したことで、ぬかるみのメカニズムを解明できた」と成果を語り、「維持管理とモニタリングを継続していくことが重要」と今後の課題を指摘した。県光都土木事務所の糟谷昌俊所長は「改善への道筋がついた。市民のレクレーションの場の安全確保に努めたい」と話している。
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掲載紙面(PDF):
2014年3月21日(2080号) 3面 (8,903,086byte)
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