亡き愛妻へ捧げる写仏画展
2014年05月14日
四国八十八カ所霊場の本尊を丹精込めて描いた写仏画と平井信一さん
平井さんは石川県加賀市生まれ。九谷焼の上絵付け師だった父の影響で子どものころから絵を描くことに興味があり、62歳で会社を退職して数年後、趣味の水墨画を始めた。穏やかな毎日を過ごしていた中、平成14年12月に最愛の妻・八恵子さんが74歳で急逝。「長年連れ添ってきた妻への感謝」をどうにか表したいと考え、その年の春に2年がかりで巡礼を満願成就した八十八カ寺の写仏を思い立った。
写真を参考に一番札所・霊山寺の釈迦如来像から巡礼順に写し始めた。面相筆を手に気持ちを静めて画仙紙に向き合い、根気強く線を引く地道な作業。一日一点を目標としていたが納得出来ずに描き直した作品もあり、八十八番札所・大窪寺の薬師如来像を仕上げ終えるまで丸1年かかった。お礼参りの高野山で見た空海の肖像画も臨画し、一連の作品を完結させた。
巡礼で授かった各寺の朱印を組み合わせて一点ずつ軸装。これまで家族や親しい人にしか見せたことはなかったが周囲の勧めで米寿記念の個展として開くことにした。88カ寺の風景を描いた墨彩画、仏画をテーマにした絵手紙など計約190点を収録した折帖5冊も展示する。
「どの作品も自分なりに心を込めて描いたものばかり」と平井さん。「一生懸命さが見た人に伝わればありがたい」と話している。5月18日(日)まで1階ギャラリーで午前10時〜午後5時(18日は3時まで)。
<前の記事 |
掲載紙面(PDF):
2014年5月17日(2087号) 1面 (10,345,416byte)
(PDFファイルを閲覧するにはこちらからAdobe Readerを入手してください。)
案内板で「文化財の宝庫」アピール [ 文化・歴史 ] 2014年03月23日討ち入りは「武士の一分」 [ 文化・歴史 ] 2014年03月21日メイプル写友会が会員展 [ 文化・歴史 ] 2014年03月18日旧赤穂神社の棟札に名棟梁 [ 文化・歴史 ] 2014年03月14日勾玉や銅鐸、親子で工作 山本博文教授が語る「忠臣蔵」の真実 江戸初期の侍屋敷跡を現地説明 [ 文化・歴史 ] 2014年03月08日女性だけの絵画作品展 [ 文化・歴史 ] 2014年03月08日昭和ほのぼの、創作和紙人形展 [ 文化・歴史 ] 2014年03月07日池田時代の侍屋敷跡が出土 [ 文化・歴史 ] 2014年03月06日赤穂出身の軍事評論家「平田晋策」展 [ 文化・歴史 ] 2014年03月04日グループ四季彩の油彩画展 [ 文化・歴史 ] 2014年03月03日インド人シェフから本場の味 [ 文化・歴史 ] 2014年03月01日手づくり絵本で知事賞 民俗資料館で「お雛さま展」 [ 文化・歴史 ] 2014年02月27日
コメントを書く